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夏休みに入る前にアートセミナーの相手がきまりました。ユキの相手はエミリーという写真学科の留学生でした。セミナーに行く前に、顔合わせ(はじめて会うことです)のための集まりがありました。ユキとエミリーは会って話しました。
「エミリーさんのお国はどちらですか」
「オーストラリアです。シドニーから来ました」
「シドニーですか。行ったことがありませんが、いい所なんでしょう」
「ええ、私は好きです。オペラハウスを知っていますか」
「はい。写真で見たことがあります」
「ふねの帆(ほ)のような形をしています。見る所や見る時間がちがうと、見え方もちがいます。子どもの時からよくオペラハウスの写真をとっていますが、同じ写真は1枚もありません。それで写真にきょうみを持つようになりました。」
そう言って、エミリーはユキにオペラハウスの写真を見せました。
「同じ場所でも時間がちがうと光り方がちがって見えます。きれいです」
とユキは言いました。
「ユキさんは彫刻(ちょうこく)学科です。どんな彫刻をするんですか」
「木を使う彫刻にきょうみがあります。これが、この間作った彫刻です」
そう言って、ユキはさるの彫刻の写真を見せました。
「きれいです。毛の1本1本までわかります」
「そうですか。ありがとうございます。私は金沢で生まれて今まで住んでいるので、子どもの時から手で細かく作ったものを見てきました。それで、それが私の作品にもえいきょうしていると思います」
「ああ、そうですか。子どもの時のけいけんは、大人になってものこります」
「はい」
「そうそう、私の最近の作品を見せていませんでした。これ、何だと思いますか」
エミリーはユキに黄色(きいろ)と茶色のつぶが全体にならんでいる写真を見せました。
「何だろう?」
「じゃ、もう1枚。これはわかりますか」
その写真には、左の上がわに黄色と茶色のつぶが、右の下がわにきいろいはなびらがありました。
「ああ、ひまわりだ。じゃ、はじめの写真もひまわりです」
「ええ、はじめのは真ん中の部分です」
「おもしろいです。私は思いつかない見方でした。西洋風(せいようふう)な感じがします」
「そうですか。私たち、おもしろい作品をいっしょに作れそうです」
「はい。がんばりましょう」
2人はうれしそうに言いました。
夏休みに入る前にアートセミナーの相手が決まりました。ユキの相手はエミリーという写真学科の留学生でした。セミナーに行く前に、顔合わせ――はじめて会う会のことです――のためのミーティングがありました。ユキとエミリーは会って話しました。
「エミリーさんのお国はどちらですか。」
「オーストラリアです。シドニーから来ました。」
「シドニーですか。行ったことがありませんが、いい所なんでしょうね。」
「ええ、私は好きです。オペラハウスを知っていますか。」
「はい。写真で見たことがあります。」
「ふねの帆(ほ)のような形をしていますよね。見る所や見る時間がちがうと、見え方もちがいます。子どもの時からよくオペラハウスの写真をとっていますけど、同じ写真は1枚もありません。それで写真にきょうみを持つようになりました。」
そう言って、エミリーはユキにオペラハウスの写真を見せました。
「へえ、同じ場所でも時間がちがうと光り方がちがいますね。すてきですね。」
とユキは言いました。
「ユキさんは彫刻学科ですよね。どんな彫刻をするんですか。」
「木を使う彫刻にきょうみがあります。これ、この間の課題で作った彫刻です。」
そう言って、ユキはサルの彫刻の写真を見せました。
「へえ、きれいですね。毛の1本1本までわかります。」
「そうですか。ありがとうございます。私は金沢で生まれて育ったので、子どもの時から手で細かく作ったものを見てきました。それで、こんな作り方になるのかもしれません。」
「ああ、そうですか。子どもの時のけいけんは、大人になってものこりますね。」
「そうですね。」
「そうそう、私の最近の作品を見せていませんでしたね。これ、何だと思いますか。」
エミリーはユキに黄色と茶色のつぶつぶが全体にならんでいる写真を見せました。
「えっ、何だろう?」
「じゃ、もう1枚。これはわかりますよね。」
その写真には、左上に黄色と茶色のつぶつぶが、右下にきいろい花びらがありました。
「ああ、ひまわりですね。じゃ、はじめの写真もひまわりですね。」
「ええ、はじめのは真ん中の部分です。」
「へえ、おもしろいですね。私には気がつかない見方かもしれません。西洋風(せいようふう)な感じがします。」
「そうですか。私たち、おもしろいコラボレーションができそうですね。」
「そうですね。がんばりましょう。」
2人はうれしそうに言いました。