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ユーは本当にどうしたらいいか、わかりませんでした。ユーはそれまで、長男だからしっかりしなければいけないという気持ちもあって、両親に何かをそうだんすることはほとんどありませんでした。けれども、今回はどうしようもなくなって、そうだんすることにしました。
「お父さん、お母さん、ちょっといいですか。大学のことなんだけど。」
「うん、どうなったかと心配してたよ。」
「北京東北大学はどうだったの?」
「だめだったんだ・・・。」
「えっ、どうして。」
「わかんない。でも、みんながんばってたから・・・。」
「で、どうするの?」
「どうしたらいいか、わかんなくて・・・。お父さんとお母さんはどうしたらいいと思う?」
「どうしたらいいかって言ったって・・・。どうするかは、自分が考えるしかないんだよ。」
お父さんが少しおこって言いました。
「天文学を勉強したいんでしょう? それなら、勉強できる所をさがすしかないよ。そのためにはできるかぎり助けるけど、決めるのは自分だから。」
お母さんは、お父さんのことばをフォローして言いました。
「じゃあ、これからどんなことができるのか、いっしょにせいりしてみよう。」
とお父さんは言いました。ユーは言いました。
「大学で天文学を勉強したいんだ。高校で留年して、1年後にもう一度とういつテストを受ける人もいるって聞いたんだけど・・・。」
「来年受けて、いいけっかになればいいけど、どうかしら・・・?」
「自分ががんばっても、ほかの受験生のレベルや大学の定員もかわるから、なかなかむずかしいと思うよ。」
「うーん・・・。100%だいじょうぶとは言えないのはわかるけど・・・。」
とユーはかなしそうに言いました。
「大学で天文学を勉強して、そのあとはどうしたいの?」
お母さんが聞きました。
「研究者になるのもいいな、と思ってる。」
「研究者って言っても、かんたんにはなれないよ。」
「それはわかってるよ。お父さんは何でもむずかしいっていうんだね・・・。そんなことばっかり言われたら、チャレンジしたくてもできないよ!」
ユーはおこって言いました。
「いや、お父さんは自分の経験(けいけん)から,心配して言ってるだけだよ。」
「そうよ。チャレンジさせないって言ってるんじゃないわよ。」
「もういいよ! お父さんたちにはそうだんしないから!! こんな家、出ていくから!!!」
とうとう、ユーはくやしい気持ちが止まらなくなって、こんなことを言ってしまいました。そして、だまって自分の部屋に入って、出てきませんでした。
2日後、ユーはやっと部屋を出て高校に向かいました。両親と話したあと、ユーは両親とひとことも話していません。この日もだまって家を出ました。ユーは高校のトウ先生と話したいと思ったのです。ユーはトウ先生に話しかけました。
「あのう、トウ先生、今お話ししてもよろしいですか。」
「ええ、いいですよ。」
「あの、この間の日本に留学するのはどうかというお話ですが、やってみようかな、と思ってるんです。」
「あ、ほんとうですか。やってみますか?」
「はい。ちがう国で勉強するのもいいと思ったんです。新しい経験もできるし、あとでいろいろな仕事もできるかもしれませんから。」
ユーは、家を出ていくと両親に言ったいきおいもあって、自分の部屋で一人でそうかんがえたのです。先生は言いました。
「日本で天文学を勉強したいと思っていますか。」
「はい。」
「じゃ、どんな大学があるか、さがしてみましょう。そして、日本語を勉強しないといけませんね。私の家の近くに、日本人の日本語の先生が住んでいます。北京東北大学の先生です。その先生にいい勉強のしかたを聞いてみましょう。」
「ほんとうですか。ありがとうございます。」
ユーはひさしぶりにうれしそうな顔をしました。
つぎの日、ユーはトウ先生に呼ばれました。
「ユーくん、日本語の先生に聞いてみましたよ。北京東北大学には外国語学校があります。だれでも勉強することができます。日本語のクラスもあるそうです。これを見てみてください。」
トウ先生はユーにパンフレットをわたしました。
「どうもありがとうございます。見てみます。」
「ただ、これから勉強を始めると、勉強できるのは5か月ぐらいですね。それだと、日本語のしけんでいい点を取るのは大変だろうと言っていました。でも、理科系(りかけい)なら、日本語がまあまあでも、理科や数学がよくできたら、いい大学に入れるかもしれないそうです。大学によっては、留学生しけんのあとでその大学だけのしけんをするところもあるそうですよ。」
「そうですか・・・。」
「ただ、秋のしけんのけっかを見るのはだいたい国立大学です。私立大学はだいたい春のしけんのけっかを見るようです。」
「はあ・・・。」
「とりあえず、日本の留学生しけんの問題も見てみるといいですね。」
「はい、そうします。」
そう言って、ユーは家に帰りました。
家に帰ると、お母さんが心配そうにユーに話しかけました。
「ねえ、どうしたの? 何でも話してね。」
でも、ユーは何も言わないで、また自分の部屋に入って出てきませんでした。
ユーは自分の部屋で、トウ先生にもらったパンフレットを見ました。
(日本語の初級クラス・・・、あった、1週間に2回で1回2時間、1時間100元か。つまり、1か月でだいたい1600元か・・・。高い! これはぼくの貯金(ちょきん)でははらえない・・・。お父さんたちにはらってもらうわけにもいかないし・・・。)
ユーはがっかりしました。両親に強いことを言ったことを考えると、そうだんもできないと思いました。
(どうしよう。こまったなあ。とにかく、明日日本の留学生試験の問題を見てみよう。)
つぎの日、ユーは高校の図書室で日本の留学生試験の問題集を見つけました。理科と数学の問題を見ると、できそうでした。
(あ、これならわかりそうだ。でも、日本語の問題はできるようになるかなあ・・・。)
ユーは、日本語をこれから勉強しても間に合わないのではないか、と不安になりました。
ユーは家の自分のへやに帰って考えました。
(日本語を習うためのお金がないから、自分で勉強するしかない。本やネットなんかで勉強してみよう。そして、天文学が勉強できる大学をさがして、試験のためにどんな勉強がひつようか、しらべよう。うん、大学をさがすほうが先だな。)
ユーはだいぶ、やるべきことがわかってきたようです。
まず、ユーは高校の図書室に日本の大学をしらべに行きました。本が5さつぐらい見つかりました。
(いい研究をしている大学で、できれば学費(がくひ)が安いか、奨学金(しょうがくきん)がもらいやすい大学をさがさないと・・・。)
ユーは本のページをパラパラとめくりました。
(あ、東京数理大学、大阪理科大学、京都地球大学では天文学が勉強できるんだ。東京数理大学は国立だから、学費は安そうだ。大阪と京都は私立だけど、奨学金がもらいやすそう。どれも研究するのによさそうだなあ。いいなあ・・・。)
しらべてみて、ユーは日本の大学で勉強したいと思うようになりました。
(この三つの大学は留学生試験で日本語と理科と数学を受けなければならないんだね。理科と数学は今まで勉強したことを復習(ふくしゅう)すれば、だいじょうぶそうだ。やっぱり日本語が問題だよね。この三つの大学は、日本語の試験が80%以上できないと、むずかしいみたい。あれっ、待って。留学生試験は春と秋にあるけど、私立大学は春の試験のけっかがひつようだって書いてある。そういえば、トウ先生がおっしゃってたよね。じゃ、今度の秋の試験を受けてもダメってこと・・・?)
ユーはもう一度トウ先生に聞きに行きました。
「トウ先生、日本の大学をしらべてみたんですけど、先生がおっしゃったように、私立大学は春の試験のけっかがひつようらしいんです。」
「そうですね。でも、国立大学は秋の試験のけっかでもだいじょうぶなはずですよ。 国立は学費も安いし、研究のレベルも高いし、いいと思ったんだけど・・・。じゃあ、とりあえず秋の試験を受けてみて、そのけっかで考えたらどうですか。秋の試験は練習とかんがえてもいいかもしれません。春の試験を本番と考えれば、日本語の勉強もゆっくりできるのではないでしょうか。」
「はあ、はい、そうですね・・・。ありがとうございます・・・。」
ユーは、現実(げんじつ)を目の前にして、気が重くなって、それ以上、話すことができませんでした。
(あーあ、どうしよう・・・。あと1年はがんばらないといけないんだよね・・・。長いなあ。がんばれるかなあ・・・。もともと日本に留学するなんて考えていなかったんだから、やめてもいいよね。そんなこと、考えないで、高校で留年して、もう一度とういつ試験にチャレンジしたほうがいいよね。)
ユーの気持ちはゆれ動きました。
ユーは日本への留学はなかったことにしようと思い始めていました。すると、気持ちが楽になりました。家を出ていくと言ってから、両親と話していませんでしたが、しかたなく、話してみようと思いました。
「あのう、お父さん、お母さん、大学のことなんだけど・・・。」
「うん、どうする?」
お父さんはすぐにユーのほうを見て言いました。お母さんも心配そうにユーを見ています。
「高校で留年して、来年もう一度とういつ試験にチャレンジしようと思うんだ。」
「そう。それでいいの?」
お母さんが言いました。
「うん。高校のトウ先生からは日本の大学に留学するのはどうかって言われていたんだけど、今から日本語の勉強をするのも時間がかかるし、やっぱり中国で進学しようと思って。」
「日本に留学ねえ。日本には今まで縁(えん)がなかったよね・・・。じゃ、今度の夏休みに家族で日本に旅行に行ってみるか。たまには楽しいこともしないとね。」
お父さんがやさしく言ったので、ユーは少しびっくりしました。
「えっ、ほんと!?」
お母さんも言いました。
「それはいいわね。ハオランくんもいっしょに行きましょう。」
ユーの家族は夏休みに日本に旅行に行くことになりました。
「お父さん、お母さん、ちょっといいですか。大学のことなんだけど。」
「うん、どうなったかと心配してたよ。」
「北京東北大学はどうだったの?」
「だめだったんだ・・・。」
「えっ、どうして。」
「わかんない。でも、みんながんばってたから・・・。」
「で、どうするの?」
「どうしたらいいか、わかんなくて・・・。お父さんとお母さんはどうしたらいいと思う?」
「どうしたらいいかって言ったって・・・。どうするかは、自分が考えるしかないんだよ。」
お父さんが少しおこって言いました。
「天文学を勉強したいんでしょう? それなら、勉強できる所をさがすしかないよ。そのためにはできるかぎり助けるけど、決めるのは自分だから。」
お母さんは、お父さんのことばをフォローして言いました。
「じゃあ、これからどんなことができるのか、いっしょにせいりしてみよう。」
とお父さんは言いました。ユーは言いました。
「大学で天文学を勉強したいんだ。高校で留年して、1年後にもう一度とういつテストを受ける人もいるって聞いたんだけど・・・。」
「来年受けて、いいけっかになればいいけど、どうかしら・・・?」
「自分ががんばっても、ほかの受験生のレベルや大学の定員もかわるから、なかなかむずかしいと思うよ。」
「うーん・・・。100%だいじょうぶとは言えないのはわかるけど・・・。」
とユーはかなしそうに言いました。
「大学で天文学を勉強して、そのあとはどうしたいの?」
お母さんが聞きました。
「研究者になるのもいいな、と思ってる。」
「研究者って言っても、かんたんにはなれないよ。」
「それはわかってるよ。お父さんは何でもむずかしいっていうんだね・・・。そんなことばっかり言われたら、チャレンジしたくてもできないよ!」
ユーはおこって言いました。
「いや、お父さんは自分の経験(けいけん)から,心配して言ってるだけだよ。」
「そうよ。チャレンジさせないって言ってるんじゃないわよ。」
「もういいよ! お父さんたちにはそうだんしないから!! こんな家、出ていくから!!!」
とうとう、ユーはくやしい気持ちが止まらなくなって、こんなことを言ってしまいました。そして、だまって自分の部屋に入って、出てきませんでした。
2日後、ユーはやっと部屋を出て高校に向かいました。両親と話したあと、ユーは両親とひとことも話していません。この日もだまって家を出ました。ユーは高校のトウ先生と話したいと思ったのです。ユーはトウ先生に話しかけました。
「あのう、トウ先生、今お話ししてもよろしいですか。」
「ええ、いいですよ。」
「あの、この間の日本に留学するのはどうかというお話ですが、やってみようかな、と思ってるんです。」
「あ、ほんとうですか。やってみますか?」
「はい。ちがう国で勉強するのもいいと思ったんです。新しい経験もできるし、あとでいろいろな仕事もできるかもしれませんから。」
ユーは、家を出ていくと両親に言ったいきおいもあって、自分の部屋で一人でそうかんがえたのです。先生は言いました。
「日本で天文学を勉強したいと思っていますか。」
「はい。」
「じゃ、どんな大学があるか、さがしてみましょう。そして、日本語を勉強しないといけませんね。私の家の近くに、日本人の日本語の先生が住んでいます。北京東北大学の先生です。その先生にいい勉強のしかたを聞いてみましょう。」
「ほんとうですか。ありがとうございます。」
ユーはひさしぶりにうれしそうな顔をしました。
つぎの日、ユーはトウ先生に呼ばれました。
「ユーくん、日本語の先生に聞いてみましたよ。北京東北大学には外国語学校があります。だれでも勉強することができます。日本語のクラスもあるそうです。これを見てみてください。」
トウ先生はユーにパンフレットをわたしました。
「どうもありがとうございます。見てみます。」
「ただ、これから勉強を始めると、勉強できるのは5か月ぐらいですね。それだと、日本語のしけんでいい点を取るのは大変だろうと言っていました。でも、理科系(りかけい)なら、日本語がまあまあでも、理科や数学がよくできたら、いい大学に入れるかもしれないそうです。大学によっては、留学生しけんのあとでその大学だけのしけんをするところもあるそうですよ。」
「そうですか・・・。」
「ただ、秋のしけんのけっかを見るのはだいたい国立大学です。私立大学はだいたい春のしけんのけっかを見るようです。」
「はあ・・・。」
「とりあえず、日本の留学生しけんの問題も見てみるといいですね。」
「はい、そうします。」
そう言って、ユーは家に帰りました。
家に帰ると、お母さんが心配そうにユーに話しかけました。
「ねえ、どうしたの? 何でも話してね。」
でも、ユーは何も言わないで、また自分の部屋に入って出てきませんでした。
ユーは自分の部屋で、トウ先生にもらったパンフレットを見ました。
(日本語の初級クラス・・・、あった、1週間に2回で1回2時間、1時間100元か。つまり、1か月でだいたい1600元か・・・。高い! これはぼくの貯金(ちょきん)でははらえない・・・。お父さんたちにはらってもらうわけにもいかないし・・・。)
ユーはがっかりしました。両親に強いことを言ったことを考えると、そうだんもできないと思いました。
(どうしよう。こまったなあ。とにかく、明日日本の留学生試験の問題を見てみよう。)
つぎの日、ユーは高校の図書室で日本の留学生試験の問題集を見つけました。理科と数学の問題を見ると、できそうでした。
(あ、これならわかりそうだ。でも、日本語の問題はできるようになるかなあ・・・。)
ユーは、日本語をこれから勉強しても間に合わないのではないか、と不安になりました。
ユーは家の自分のへやに帰って考えました。
(日本語を習うためのお金がないから、自分で勉強するしかない。本やネットなんかで勉強してみよう。そして、天文学が勉強できる大学をさがして、試験のためにどんな勉強がひつようか、しらべよう。うん、大学をさがすほうが先だな。)
ユーはだいぶ、やるべきことがわかってきたようです。
まず、ユーは高校の図書室に日本の大学をしらべに行きました。本が5さつぐらい見つかりました。
(いい研究をしている大学で、できれば学費(がくひ)が安いか、奨学金(しょうがくきん)がもらいやすい大学をさがさないと・・・。)
ユーは本のページをパラパラとめくりました。
(あ、東京数理大学、大阪理科大学、京都地球大学では天文学が勉強できるんだ。東京数理大学は国立だから、学費は安そうだ。大阪と京都は私立だけど、奨学金がもらいやすそう。どれも研究するのによさそうだなあ。いいなあ・・・。)
しらべてみて、ユーは日本の大学で勉強したいと思うようになりました。
(この三つの大学は留学生試験で日本語と理科と数学を受けなければならないんだね。理科と数学は今まで勉強したことを復習(ふくしゅう)すれば、だいじょうぶそうだ。やっぱり日本語が問題だよね。この三つの大学は、日本語の試験が80%以上できないと、むずかしいみたい。あれっ、待って。留学生試験は春と秋にあるけど、私立大学は春の試験のけっかがひつようだって書いてある。そういえば、トウ先生がおっしゃってたよね。じゃ、今度の秋の試験を受けてもダメってこと・・・?)
ユーはもう一度トウ先生に聞きに行きました。
「トウ先生、日本の大学をしらべてみたんですけど、先生がおっしゃったように、私立大学は春の試験のけっかがひつようらしいんです。」
「そうですね。でも、国立大学は秋の試験のけっかでもだいじょうぶなはずですよ。 国立は学費も安いし、研究のレベルも高いし、いいと思ったんだけど・・・。じゃあ、とりあえず秋の試験を受けてみて、そのけっかで考えたらどうですか。秋の試験は練習とかんがえてもいいかもしれません。春の試験を本番と考えれば、日本語の勉強もゆっくりできるのではないでしょうか。」
「はあ、はい、そうですね・・・。ありがとうございます・・・。」
ユーは、現実(げんじつ)を目の前にして、気が重くなって、それ以上、話すことができませんでした。
(あーあ、どうしよう・・・。あと1年はがんばらないといけないんだよね・・・。長いなあ。がんばれるかなあ・・・。もともと日本に留学するなんて考えていなかったんだから、やめてもいいよね。そんなこと、考えないで、高校で留年して、もう一度とういつ試験にチャレンジしたほうがいいよね。)
ユーの気持ちはゆれ動きました。
ユーは日本への留学はなかったことにしようと思い始めていました。すると、気持ちが楽になりました。家を出ていくと言ってから、両親と話していませんでしたが、しかたなく、話してみようと思いました。
「あのう、お父さん、お母さん、大学のことなんだけど・・・。」
「うん、どうする?」
お父さんはすぐにユーのほうを見て言いました。お母さんも心配そうにユーを見ています。
「高校で留年して、来年もう一度とういつ試験にチャレンジしようと思うんだ。」
「そう。それでいいの?」
お母さんが言いました。
「うん。高校のトウ先生からは日本の大学に留学するのはどうかって言われていたんだけど、今から日本語の勉強をするのも時間がかかるし、やっぱり中国で進学しようと思って。」
「日本に留学ねえ。日本には今まで縁(えん)がなかったよね・・・。じゃ、今度の夏休みに家族で日本に旅行に行ってみるか。たまには楽しいこともしないとね。」
お父さんがやさしく言ったので、ユーは少しびっくりしました。
「えっ、ほんと!?」
お母さんも言いました。
「それはいいわね。ハオランくんもいっしょに行きましょう。」
ユーの家族は夏休みに日本に旅行に行くことになりました。
ユーは本当にどうしたらいいか、わかりませんでした。ユーはそれまで、長男だからしっかりしなければいけないという気持ちもあって、両親に何かを相談することはほとんどありませんでした。けれども、今回はどうしようもなくなって、相談することにしました。
「お父さん、お母さん、ちょっといいですか。大学のことなんだけど。」
「うん、どうなったかと心配してたよ。」
「北京東北大学はどうだったの?」
「だめだったんだ・・・。」
「えっ、どうして。」
「わかんない。でも、みんながんばってたから・・・。」
「で、どうするの?」
「どうしたらいいか、わかんなくて・・・。お父さんとお母さんはどうしたらいいと思う?」
「どうしたらいいかって言ったって・・・。どうするかは、自分が考えるしかないんだよ。」
お父さんが少しおこって言いました。
「天文学を勉強したいんでしょう? それなら、勉強できる所をさがすしかないよ。そのためにはできるかぎり助けるけど、決めるのは自分だから。」
お母さんは、お父さんのことばをフォローして言いました。
「じゃあ、これからどんなことができるのか、いっしょにせいりしてみよう。」
とお父さんは言いました。ユーは言いました。
「大学で天文学を勉強したいんだ。高校で留年して、1年後にもう一度統一テストを受ける人もいるって聞いたんだけど・・・。」
「来年受けて、いい結果になればいいけど、どうかしら・・・?」
「自分ががんばっても、ほかの受験生のレベルや大学の定員も変わるから、なかなかむずかしいと思うよ。」
「うーん・・・。100%だいじょうぶとは言えないのはわかるけど・・・。」
とユーはかなしそうに言いました。
「大学で天文学を勉強して、そのあとはどうしたいの?」
お母さんが聞きました。
「研究者になるのもいいな、と思ってる。」
「研究者って言っても、かんたんにはなれないよ。」
「それはわかってるよ。お父さんは何でもむずかしいっていうんだね・・・。そんなことばっかり言われたら、チャレンジしたくてもできないよ!」
ユーはおこって言いました。
「いや、お父さんは自分の経験(けいけん)から,心配して言ってるだけだよ。」
「そうよ。チャレンジさせないって言ってるんじゃないわよ。」
「もういいよ! お父さんたちには相談(そうだん)しないから!! こんな家、出ていくから!!!」
とうとう、ユーはくやしい気持ちが止まらなくなって、こんなことを言ってしまいました。そして、だまって自分の部屋に入って、出てきませんでした。
2日後、ユーはやっと部屋を出て高校に向かいました。両親と話したあと、ユーは両親とひとことも話していません。この日もだまって家を出ました。ユーは高校のトウ先生と話したいと思ったのです。ユーはトウ先生に話しかけました。
「あのう、トウ先生、今お話ししてもよろしいですか。」
「ええ、いいですよ。」
「あの、この間の日本に留学するのはどうかというお話ですが、やってみようかな、と思ってるんです。」
「あ、ほんとうですか。やってみますか?」
「はい。ちがう国で勉強するのもいいと思ったんです。新しい経験もできるし、あとでいろいろな仕事もできるかもしれませんから。」
ユーは、家を出ていくと両親に言ったいきおいもあって、自分の部屋で一人でそうかんがえたのです。先生は言いました。
「日本で天文学を勉強したいと思っていますか。」
「はい。」
「じゃ、どんな大学があるか、さがしてみましょう。そして、日本語を勉強しないといけませんね。私の家の近くに、日本人の日本語の先生が住んでいます。北京東北大学の先生です。その先生にいい勉強のしかたを聞いてみましょう。」
「ほんとうですか。ありがとうございます。」
ユーはひさしぶりにうれしそうな顔をしました。
つぎの日、ユーはトウ先生に呼ばれました。
「ユーくん、日本語の先生に聞いてみましたよ。北京東北大学には外国語学校があります。だれでも勉強することができます。日本語のクラスもあるそうです。これを見てみてください。」
トウ先生はユーにパンフレットをわたしました。
「どうもありがとうございます。見てみます。」
「ただ、これから勉強を始めると、勉強できるのは5か月ぐらいですね。それだと、日本語
の試験でいい点を取るのは大変だろうと言っていました。でも、理科系(りかけい)なら、
日本語がまあまあでも、理科や数学がよくできたら、いい大学に入れるかもしれないそうです。大学によっては、留学生試験のあとでその大学だけの試験をするところもあるそうですよ。」
「そうですか・・・。」
「ただ、秋の試験の結果を見るのはだいたい国立大学です。私立大学はだいたい春の試験の結果を見るようです。」
「はあ・・・。」
「とりあえず、日本の留学生試験の問題も見てみるといいですね。」
「はい、そうします。」
そう言って、ユーは家に帰りました。
家に帰ると、お母さんが心配そうにユーに話しかけました。
「ねえ、どうしたの? 何でも話してね。」
でも、ユーは何も言わないで、また自分の部屋に入って出てきませんでした。
ユーは自分の部屋で、トウ先生にもらったパンフレットを見ました。
(日本語の初級クラス・・・、あった、1週間に2回で1回2時間、1時間100元か。つまり、1か月でだいたい1600元か・・・。高い! これはぼくの貯金(ちょきん)でははらえない・・・。お父さんたちにはらってもらうわけにもいかないし・・・。)
ユーはがっかりしました。両親に強いことを言ったことを考えると、相談もできないと思いました。
(どうしよう。こまったなあ。とにかく、明日日本の留学生試験の問題を見てみよう。)
つぎの日、ユーは高校の図書室で日本の留学生試験の問題集を見つけました。理科と数学の問題を見ると、できそうでした。
(あ、これならわかりそうだ。でも、日本語の問題はできるようになるかなあ・・・。)
ユーは、日本語をこれから勉強しても間に合わないのではないか、と不安になりました。
ユーは家の自分のへやに帰って考えました。
(日本語を習うためのお金がないから、自分で勉強するしかない。本やネットなんかで勉強してみよう。そして、天文学が勉強できる大学をさがして、試験のためにどんな勉強が必要か、しらべよう。うん、大学を探すほうが先だな。)
ユーはだいぶ、やるべきことがわかってきたようです。
まず、ユーは高校の図書室に日本の大学を調べに行きました。本が5さつぐらい見つかりました。
(いい研究をしている大学で、できれば学費(がくひ)が安いか、奨学金がもらいやすい大学をさがさないと・・・。)
ユーは本のページをパラパラとめくりました。
(あ、東京数理大学、大阪理科大学、京都地球大学では天文学が勉強できるんだ。東京数理大学は国立だから、学費は安そうだ。大阪と京都は私立だけど、奨学金がもらいやすそう。どれも研究するのによさそうだなあ。いいなあ・・・。)
調べてみて、ユーは日本の大学で勉強したいと思うようになりました。
(この三つの大学は留学生試験で日本語と理科と数学を受けなければならないんだね。理科と数学は今まで勉強したことを復習(ふくしゅう)すれば、だいじょうぶそうだ。やっぱり日本語が問題だよね。この三つの大学は、日本語の試験が80%以上できないと、むずかしいみたい。あれっ、待って。留学生試験は春と秋にあるけど、私立大学は春の試験の結果が必要だって書いてある。そういえば、トウ先生がおっしゃってたよね。じゃ、今度の秋の試験を受けてもダメってこと・・・?)
ユーはもう一度トウ先生に聞きに行きました。
「トウ先生、日本の大学を調べてみたんですけど、先生がおっしゃったように、私立大学は春の試験の結果が必要らしいんです。」
「そうですね。でも、国立大学は秋の試験の結果でもだいじょうぶなはずですよ。 国立は学費も安いし、研究のレベルも高いし、いいと思ったんだけど・・・。じゃあ、とりあえず秋の試験を受けてみて、その結果で考えたらどうですか。秋の試験は練習とかんがえてもいいかもしれません。春の試験を本番と考えれば、日本語の勉強もゆっくりできるのではないでしょうか。」
「はあ、はい、そうですね・・・。ありがとうございます・・・。」
ユーは、現実(げんじつ)を目の前にして、気が重くなって、それ以上、話すことができませんでした。
(あーあ、どうしよう・・・。あと1年はがんばらないといけないんだよね・・・。長いなあ。がんばれるかなあ・・・。もともと日本に留学するなんて考えていなかったんだから、やめてもいいよね。そんなこと、考えないで、高校で留年して、もう一度統一試験にチャレンジしたほうがいいよね。)
ユーの気持ちはゆれ動きました。
ユーは日本への留学はなかったことにしようと思い始めていました。すると、気持ちが楽になりました。家を出ていくと言ってから、両親と話していませんでしたが、しかたなく、話してみようと思いました。
「あのう、お父さん、お母さん、大学のことなんだけど・・・。」
「うん、どうする?」
お父さんはすぐにユーのほうを見て言いました。お母さんも心配そうにユーを見ています。
「高校で留年して、来年もう一度統一試験にチャレンジしようと思うんだ。」
「そう。それでいいの?」
お母さんが言いました。
「うん。高校のトウ先生からは日本の大学に留学するのはどうかって言われていたんだけど、今から日本語の勉強をするのも時間がかかるし、やっぱり中国で進学しようと思って。」
「日本に留学ねえ。日本には今まで縁(えん)がなかったよね・・・。じゃ、今度の夏休みに家族で日本に旅行に行ってみるか。たまには楽しいこともしないとね。」
お父さんがやさしく言ったので、ユーは少しびっくりしました。
「えっ、ほんと!?」
お母さんも言いました。
「それはいいわね。ハオランくんもいっしょに行きましょう。」
ユーの家族は夏休みに日本に旅行に行くことになりました。
「お父さん、お母さん、ちょっといいですか。大学のことなんだけど。」
「うん、どうなったかと心配してたよ。」
「北京東北大学はどうだったの?」
「だめだったんだ・・・。」
「えっ、どうして。」
「わかんない。でも、みんながんばってたから・・・。」
「で、どうするの?」
「どうしたらいいか、わかんなくて・・・。お父さんとお母さんはどうしたらいいと思う?」
「どうしたらいいかって言ったって・・・。どうするかは、自分が考えるしかないんだよ。」
お父さんが少しおこって言いました。
「天文学を勉強したいんでしょう? それなら、勉強できる所をさがすしかないよ。そのためにはできるかぎり助けるけど、決めるのは自分だから。」
お母さんは、お父さんのことばをフォローして言いました。
「じゃあ、これからどんなことができるのか、いっしょにせいりしてみよう。」
とお父さんは言いました。ユーは言いました。
「大学で天文学を勉強したいんだ。高校で留年して、1年後にもう一度統一テストを受ける人もいるって聞いたんだけど・・・。」
「来年受けて、いい結果になればいいけど、どうかしら・・・?」
「自分ががんばっても、ほかの受験生のレベルや大学の定員も変わるから、なかなかむずかしいと思うよ。」
「うーん・・・。100%だいじょうぶとは言えないのはわかるけど・・・。」
とユーはかなしそうに言いました。
「大学で天文学を勉強して、そのあとはどうしたいの?」
お母さんが聞きました。
「研究者になるのもいいな、と思ってる。」
「研究者って言っても、かんたんにはなれないよ。」
「それはわかってるよ。お父さんは何でもむずかしいっていうんだね・・・。そんなことばっかり言われたら、チャレンジしたくてもできないよ!」
ユーはおこって言いました。
「いや、お父さんは自分の経験(けいけん)から,心配して言ってるだけだよ。」
「そうよ。チャレンジさせないって言ってるんじゃないわよ。」
「もういいよ! お父さんたちには相談(そうだん)しないから!! こんな家、出ていくから!!!」
とうとう、ユーはくやしい気持ちが止まらなくなって、こんなことを言ってしまいました。そして、だまって自分の部屋に入って、出てきませんでした。
2日後、ユーはやっと部屋を出て高校に向かいました。両親と話したあと、ユーは両親とひとことも話していません。この日もだまって家を出ました。ユーは高校のトウ先生と話したいと思ったのです。ユーはトウ先生に話しかけました。
「あのう、トウ先生、今お話ししてもよろしいですか。」
「ええ、いいですよ。」
「あの、この間の日本に留学するのはどうかというお話ですが、やってみようかな、と思ってるんです。」
「あ、ほんとうですか。やってみますか?」
「はい。ちがう国で勉強するのもいいと思ったんです。新しい経験もできるし、あとでいろいろな仕事もできるかもしれませんから。」
ユーは、家を出ていくと両親に言ったいきおいもあって、自分の部屋で一人でそうかんがえたのです。先生は言いました。
「日本で天文学を勉強したいと思っていますか。」
「はい。」
「じゃ、どんな大学があるか、さがしてみましょう。そして、日本語を勉強しないといけませんね。私の家の近くに、日本人の日本語の先生が住んでいます。北京東北大学の先生です。その先生にいい勉強のしかたを聞いてみましょう。」
「ほんとうですか。ありがとうございます。」
ユーはひさしぶりにうれしそうな顔をしました。
つぎの日、ユーはトウ先生に呼ばれました。
「ユーくん、日本語の先生に聞いてみましたよ。北京東北大学には外国語学校があります。だれでも勉強することができます。日本語のクラスもあるそうです。これを見てみてください。」
トウ先生はユーにパンフレットをわたしました。
「どうもありがとうございます。見てみます。」
「ただ、これから勉強を始めると、勉強できるのは5か月ぐらいですね。それだと、日本語
の試験でいい点を取るのは大変だろうと言っていました。でも、理科系(りかけい)なら、
日本語がまあまあでも、理科や数学がよくできたら、いい大学に入れるかもしれないそうです。大学によっては、留学生試験のあとでその大学だけの試験をするところもあるそうですよ。」
「そうですか・・・。」
「ただ、秋の試験の結果を見るのはだいたい国立大学です。私立大学はだいたい春の試験の結果を見るようです。」
「はあ・・・。」
「とりあえず、日本の留学生試験の問題も見てみるといいですね。」
「はい、そうします。」
そう言って、ユーは家に帰りました。
家に帰ると、お母さんが心配そうにユーに話しかけました。
「ねえ、どうしたの? 何でも話してね。」
でも、ユーは何も言わないで、また自分の部屋に入って出てきませんでした。
ユーは自分の部屋で、トウ先生にもらったパンフレットを見ました。
(日本語の初級クラス・・・、あった、1週間に2回で1回2時間、1時間100元か。つまり、1か月でだいたい1600元か・・・。高い! これはぼくの貯金(ちょきん)でははらえない・・・。お父さんたちにはらってもらうわけにもいかないし・・・。)
ユーはがっかりしました。両親に強いことを言ったことを考えると、相談もできないと思いました。
(どうしよう。こまったなあ。とにかく、明日日本の留学生試験の問題を見てみよう。)
つぎの日、ユーは高校の図書室で日本の留学生試験の問題集を見つけました。理科と数学の問題を見ると、できそうでした。
(あ、これならわかりそうだ。でも、日本語の問題はできるようになるかなあ・・・。)
ユーは、日本語をこれから勉強しても間に合わないのではないか、と不安になりました。
ユーは家の自分のへやに帰って考えました。
(日本語を習うためのお金がないから、自分で勉強するしかない。本やネットなんかで勉強してみよう。そして、天文学が勉強できる大学をさがして、試験のためにどんな勉強が必要か、しらべよう。うん、大学を探すほうが先だな。)
ユーはだいぶ、やるべきことがわかってきたようです。
まず、ユーは高校の図書室に日本の大学を調べに行きました。本が5さつぐらい見つかりました。
(いい研究をしている大学で、できれば学費(がくひ)が安いか、奨学金がもらいやすい大学をさがさないと・・・。)
ユーは本のページをパラパラとめくりました。
(あ、東京数理大学、大阪理科大学、京都地球大学では天文学が勉強できるんだ。東京数理大学は国立だから、学費は安そうだ。大阪と京都は私立だけど、奨学金がもらいやすそう。どれも研究するのによさそうだなあ。いいなあ・・・。)
調べてみて、ユーは日本の大学で勉強したいと思うようになりました。
(この三つの大学は留学生試験で日本語と理科と数学を受けなければならないんだね。理科と数学は今まで勉強したことを復習(ふくしゅう)すれば、だいじょうぶそうだ。やっぱり日本語が問題だよね。この三つの大学は、日本語の試験が80%以上できないと、むずかしいみたい。あれっ、待って。留学生試験は春と秋にあるけど、私立大学は春の試験の結果が必要だって書いてある。そういえば、トウ先生がおっしゃってたよね。じゃ、今度の秋の試験を受けてもダメってこと・・・?)
ユーはもう一度トウ先生に聞きに行きました。
「トウ先生、日本の大学を調べてみたんですけど、先生がおっしゃったように、私立大学は春の試験の結果が必要らしいんです。」
「そうですね。でも、国立大学は秋の試験の結果でもだいじょうぶなはずですよ。 国立は学費も安いし、研究のレベルも高いし、いいと思ったんだけど・・・。じゃあ、とりあえず秋の試験を受けてみて、その結果で考えたらどうですか。秋の試験は練習とかんがえてもいいかもしれません。春の試験を本番と考えれば、日本語の勉強もゆっくりできるのではないでしょうか。」
「はあ、はい、そうですね・・・。ありがとうございます・・・。」
ユーは、現実(げんじつ)を目の前にして、気が重くなって、それ以上、話すことができませんでした。
(あーあ、どうしよう・・・。あと1年はがんばらないといけないんだよね・・・。長いなあ。がんばれるかなあ・・・。もともと日本に留学するなんて考えていなかったんだから、やめてもいいよね。そんなこと、考えないで、高校で留年して、もう一度統一試験にチャレンジしたほうがいいよね。)
ユーの気持ちはゆれ動きました。
ユーは日本への留学はなかったことにしようと思い始めていました。すると、気持ちが楽になりました。家を出ていくと言ってから、両親と話していませんでしたが、しかたなく、話してみようと思いました。
「あのう、お父さん、お母さん、大学のことなんだけど・・・。」
「うん、どうする?」
お父さんはすぐにユーのほうを見て言いました。お母さんも心配そうにユーを見ています。
「高校で留年して、来年もう一度統一試験にチャレンジしようと思うんだ。」
「そう。それでいいの?」
お母さんが言いました。
「うん。高校のトウ先生からは日本の大学に留学するのはどうかって言われていたんだけど、今から日本語の勉強をするのも時間がかかるし、やっぱり中国で進学しようと思って。」
「日本に留学ねえ。日本には今まで縁(えん)がなかったよね・・・。じゃ、今度の夏休みに家族で日本に旅行に行ってみるか。たまには楽しいこともしないとね。」
お父さんがやさしく言ったので、ユーは少しびっくりしました。
「えっ、ほんと!?」
お母さんも言いました。
「それはいいわね。ハオランくんもいっしょに行きましょう。」
ユーの家族は夏休みに日本に旅行に行くことになりました。