Coming soon!
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エマが研究室に入ると、石川先生も他の学生もびっくりしてエマを見ました。
「エマ!! どこに行ってたの?」
「みんなエマが消えたってさがしてたんだよ。ゼミの日に研究室にも来ないし、スマホにも出ないし。」
「どうしたの? 服(ふく)に土がついてるけど。」
「えっ、どうして土が・・・?」
エマは日曜日に着ていた服と同じ服を着ていました。そして、土を手ではらいながら言いました。
「あの、私、どのぐらい、いなかったんですか。」
「どのぐらいって、2日ぐらい。」
それなら、ちょうど平泉に行ってた時と同じぐらいだ、とエマは思いました。石川先生も言いました。
「エマさんはだまってゼミを欠席(けっせき)するような人じゃないので、本当に心配しました。警察(けいさつ)にも話したんですよ。でも安心しました。」
エマは言いました。
「みなさんにご心配をおかけして、本当にもうしわけありませんでした。けれども、とてもふしぎなけいけんをしたので、聞いていただけますか。」
「ええ、どうぞ。」
とみんなは言いました。エマはふしぎなけいけんを話し始めました。日曜日に浅草寺(せんそうじ)に行って、気がついたら鎌倉時代の平泉にいたこと、義経(よしつね)が平泉に剣を持ってきたと聞いたこと、中尊寺金色堂に入って金色のはこを三つ見たこと、そのうちの一つに剣が入っていたことを話しました。
「みんな、信じてくれるかどうか、わからないけど、本当に金色のはこに入った剣を見たんです。山本博士の仮説と同じだったんです。私は博士の仮説が正しいと信じます。」
研究室はシーンとなりました。石川先生が口を開きました。
「ふしぎなことがあるんですね・・・。夢(ゆめ)じゃないですよね。」
「夢じゃないです。あっ、この服の土、平泉でたおれていた時についた土です。浅草の道には土はありませんから、たおれてもつかないはずです。」
「そうですね・・・。とにかく山本博士にも話してみたらどうでしょう。れんらくしてみましょう。」
石川先生はそう言って、山本博士にれんらくしてくれました。