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東京から南に行くと、静岡県があります。ハピエルは、そこにも古い話を見つけました。
谷川村(たにがわむら)に亀足寺(かめあしでら)というお寺がありました。お寺の近くにきれいな川がありました。子どもたちはよくあそびに行きました。でも、ときどきあそびに行った子どもたちが帰ってこないことがありました。ですから、村の人たちはこわい川だと思うようになりました。じつは、カッパが子どもたちとすもうをとって、川に投げていたのです。
このお寺は広い田んぼを持っていました。5月のある日、近くの農民(のうみん)たちが、米を作るために田植(たう)えをしました。田植えは稲(いね)のこどもを水をいれた田んぼに植えることです。むかしは田植えの前に馬を使って土をたがやしました。
ある農民が田植えが終わったあとで、近くの川で馬を洗っていました。すると、きゅうに馬がとび上がりました。見ると、馬のしっぽにカッパがいました。
「カッパがいたぞ!」
農民がさけぶと、たくさんの人たちが走ってきました。
「ころせ!そうしないと、子どもたちがころされるぞ!」
いろいろな人たちがそう言って、カッパのまわりに集まりました。この声を聞いて、お寺のおしょうさんが来ました。
「めずらしいこともあるのう。でも、今日は田植えをしためでたい日だから、ころすのはやめてくだされ。」
おしょうさんは集まった人たちにカッパをころさないようにと言いました。そして、カッパに
「たすけてやるから、どこか遠くに行きなさい。この川にいると、ころされてしまうぞ。」
と言いました。すると、カッパはその川に入って、どこかにおよいでいきました。
その夜、お寺のおしょうさんが部屋にいると、戸をたたく音がしました。おしょうさんが戸を開けると、頭が しらがで まっ白な――老人(ろうじん)が立っていました。
「だれじゃ。」
「今日たすけていただいたカッパでございます。」
「何をしに来たのだ。」
「おしょうさんのおっしゃるように、これから遠くに行きます。これはお礼(れい)です。」
カッパはそう言って、つぼ(水やおさけなどを入れる口が小さくてまるい入れ物)を1つ出しました。すると、つぼだけがのこって、老人は消えてしまいました。
それから近くの川で子どもがいなくなることはありませんでした。
カッパがおいていったつぼに耳をあてると、今も川が流れる音がするそうです。
東京から南に行くと、静岡県があります。ハピエルは、そこにも伝説を見つけました。
谷川村(たにがわむら)に亀足寺(かめあしでら)というお寺がありました。お寺の近くにきれいな川がありました。子どもたちはよくあそびに行きました。でも、ときどきあそびに行った子どもたちが帰ってこないことがありました。ですから、村の人たちはこわい川だと思うようになりました。じつは、カッパが子どもたちとすもうをとって、川に投げこんでいたのです。
このお寺は広い田を持っていました。5月のある日、近くの農民(のうみん)たちが、米を作るために田植(たう)えをしました。田植えは稲(いね)の苗(なえ)を水田(すいでん)に植えることです。むかしは田植えの前に馬を使って土をたがやしました。
ある農民が田植えが終わったあとで、近くの川で馬を洗っていました。すると、きゅうに馬がとび上がりました。見ると、馬のしっぽにカッパがぶら下がっていました。
「カッパがいたぞ!」
農民がさけぶと、たくさんの人たちが走ってきました。
「ころせ!そうしないと、子どもたちがころされるぞ!」
人々は口々にそう言って、カッパのまわりに集まりました。この声を聞いて、お寺のおしょうさんが来ました。
「めずらしいこともあるのう。でも、今日は田植えをしためでたい日だから、ころすのはやめてくだされ。」
おしょうさんは人々にカッパをころさないようにと言いました。そして、カッパに
「たすけてやるから、どこか遠くに行きなさい。この川にいると、ころされてしまうぞ。」
と言いました。すると、カッパはその川に入って、どこかにおよいでいきました。
その夜、お寺のおしょうさんが部屋にいると、戸をたたく音がしました。おしょうさんが戸を開けると、頭が しらがで まっ白な――老人(ろうじん)が立っていました。
「だれじゃ。」
「今日たすけていただいたカッパでございます。」
「何をしに来たのだ。」
「おしょうさんのおっしゃるように、これから遠くに行きます。これはお礼(れい)です。」
カッパはそう言って、つぼを1つ出しました。すると、つぼだけがのこって、老人は消えてしまいました。
それから近くの川で子どもがいなくなることはありませんでした。
カッパがおいていったつぼに耳をあてると、今も川が流れる音がするそうです。