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日本の本州(ほんしゅう:日本の真ん中にある一番大きい島)の一番北に青森県があります。青森県の八川市に、古くてりっぱな神社があります。その神社にはこんな古い話がありました。
むかし、ある大工(だいく:木で建物を作る仕事の人)が近くの山で木を切りました。それを神社の<ruby>柱にするためです。むかしは木にあなをあけて、ほそい木をよこに通して、じょうぶなたてものをつくりました。でも、<ruby>大工は長さをまちがえて切ってしまいました。それで、<ruby>大工はその木を、ほそい木を通したまま、川にすてました。すてる時、<ruby>大工は「しりでも食べろ!」と大きい声で言いました。その木はあとでカッパになりました。ほそい木はカッパの手になりました。右の手をひっぱれば左の手がみじかくなって、左の手をひっぱれば右の手がみじかくなります。そして、川で人や馬のおしりをねらうようになりました。
そのカッパはどんどん多くなって、村で子どもや馬に悪いことをするようになりました。村の人たちは、カッパたちが悪いことをしないように、神社で神様にお願いをしました。神様はカッパをよびましたが、カッパは
「いそがしい。いそがしい。」
と言って、神様のところに来ませんでした。神様がおこって鷹(たか)――大きくて強い鳥です――に言うと、たかはカッパのくびをくわえて帰ってきました。神様は、
「木をすてた<ruby>大工も悪い。だけど、お前たちも悪い。もう悪いことをするな。」
と言いました。すると、カッパは、
「尻子玉(しりこだま)を取らないと、死んでしまうんだ。」
と言って、言うことを聞きません。尻子玉は、人のおしりにある、いろいろなものがほしいという気持ちでできたものだと言われていました。これをカッパに取られると、人は力が入らなくなります。カッパのことばを聞いたたかは、カッパの頭をたたきました。神様はカッパの頭に薬をつけながら、
「しかたがないから、1年に、人を1人と馬を1つだけ、取ってもいい。」
と言いました。それから、カッパの頭のかみがなくなって皿になりました。さらに水が入ると、カッパはとても元気になったそうです。
日本の本州(ほんしゅう)の一番北に青森県があります。青森県の八川市に、古くてりっぱな神社(じんじゃ)があります。その神社にはこんな伝説がありました。
むかし、ある大工(だいく)が近くの山で木を切りました。それを神社の柱(はしら)にするためです。むかしは木にあなをあけて、ほそい木をよこに通して、じょうぶなたてものをつくりました。でも、大工は長さをまちがえて切ってしまいました。それで、大工はその木を、ほそい木を通したまま、川にすてました。すてる時、大工は「しりでも食べろ!」と大きい声で言いました。その木はあとでカッパになりました。ほそい木はカッパの手になりました。右手をひっぱれば左手がみじかくなって、左手をひっぱれば右手がみじかくなります。そして、川で人や馬のおしりをねらうようになりました。
そのカッパはどんどん多くなって、村で子どもや馬に悪いことをするようになりました。村の人たちは、カッパたちが悪いことをしないように、神社で神様においのりをしました。神様はカッパをよびましたが、カッパは
「いそがしい。いそがしい。」
と言って、神様のところに来ませんでした。神様がおこって鷹(たか)――大きくて強い鳥ですね――に言うと、たかはカッパのくびをくわえて帰ってきました。神様は、
「木をすてた大工も悪いけど、お前たちも悪い。もう悪いことをするな。」
と言いました。すると、カッパは、
「尻子玉(しりこだま)を取らないと、死んでしまうんだ。」
と言って、言うことを聞きません。尻子玉は、人のおしりにある、いろいろなものがほしいという気持ちでできたものだと言われていました。これをカッパに取られると、人は力が入らなくなります。カッパのことばを聞いたたかは、カッパの頭をつつきました。神様はカッパの頭に薬をつけながら、
「しかたがないから、1年に、人を1人と馬を1頭(とう)だけ、取ってもいい。」
と言いました。それから、カッパの頭ははげて皿(さら)になりました。さらに水が入ると、カッパはとても元気になったそうです。