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書道の天才
美術館へ行く
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Coming soon!
ベレンがりょうでご飯を作っていると、アンナからメッセージがきた。ないようは、今度書道のてんらんかいにいかない?ということだった。場所は東京の○○美術館とのことだった。ベレンはすかさず、行きたい!とメッセージを送った。いつ行くの?と聞くと明日がいいと言う。あまりにも急すぎる。さいわい、明日は空いていたけれど。それで、駅前に10時に集合して行くことになった。
次の日の朝。
「アンナおはよう。」
「ごめん待った?」
「全然待ってないよ!」
そういうアンナはハンドバックの中から、スマホを取り出して、
「これで今日は行くから。のりかえ2回あるよ。」
「わかった。」
1時間もすれば、美術館の一番近い駅に着いた。ビルがたくさん高く立っていて少しなれない。あ。ここに来たことがある。日本に来たばかりのころ、観光でここに来た。その時は新しい事ばかりでおろおろしていたっけ。
「ベレンはここに来たことあるでしょ。」
「え?なんでわかったの?」
「だって、着いたしゅんかんここに来た事があるみたいな感じだったもん。」
「うん。美術館には行ってないけどね。」
「えーと。美術館はこっちの出口だね。」
東京の駅はあきらかに入りくんでいて、めいろみたいだった。地下鉄に乗っていたので、エスカレータを3回くらい乗って地上へ着いた。行きかう人は急いでいて、周りのことを何も気にしていないようだった。
「人が多すぎて、○○大学とは全然ちがうね。」
「うん。だってここは東京の中の東京みたいな場所だよ。」
「えーと。アンナ。そっちじゃぜったいにない。こっちだよ。」
10分ほどスマホの地図を見ながら歩くと、美術館が見えてきた。ガラスでできた美術館だった。
「わー。きれいだね。」
「ねー。新しい美術館だね。」
チケットを美術館の外にある外のうけつけで買った。チケットに書道のプリントがあっておしゃれだ。
「このチケットすごくかわいいね。」
「うん。大切にとっておこう。」
そういうと、アンナは長財布にしまった。アンナは思ったよりこういうところがていねいだ。ベレンはかばんにてきとうに入れた。何日か後にぐちゃぐちゃになって出てくるだろう。
美術館の中は思いのほかさわがしかった。こんでいなかったので、少し待つだけでてんらんかいの中に入ることができた。入ってすぐ右に作品がところせましと並んでいた。会場内は少し肌寒く静かだ。
ベレンは作品を見ていたが、日本の漢字がよくわかっていないので何が書いてあるのかがよくわからなかった。けれど、いつも見るパソコンの文字とはまったく違う。紙の上にふでを使って墨(すみ:書道や絵をかくために使う黒いインクのこと)で文字を書く。ただそれだけの白黒の世界のはずなのに、文字のなんとうつくしいことか。
文字のかすれやはらいがふだんの文字とはまったく違う。文字のかたちはもっと自由でのびのびとしていた。
そして、文字の意味に合わせて書き方も変えているようだった。
「この「夢」っていう文字いいわね。」
アンナが言った。
「そうね。この文字の意味はわかるわ。たぶん、夢をひょうげんするために、大きくふでを動かしているみたいだね。」
この作品はベレンの身長くらいのせいほうけいにえがかれていた。
「買いたいね」
「いくらくらいするのだろうね」
ベレンは笑顔になった。美術館の中は人が少なかったから、ゆっくりと見てまわった。げんだいの日本ではもう使われていない古い文字の作品もあれば、紙ではなく木にかかれた作品もあった。書道っていいなと思った。スマホのフォルダにたくさんの書道の写真がたまった。どれくらい練習したら、こんな書が書けるようになるのだろうか。ふと、稲葉(いなば)先生のことを考えていた。稲葉(いなば)先生はどんな書を書くのだろうか。
「ねえ。稲葉(いなば)先生はどんな作品を書くのかな。」
考えることは2人とも同じだったみたいだ。
「今度聞いてみよう。」
てんらんかいを見終わると、もう14時だった。2人は一緒にご飯を食べることにした。
次の日の朝。
「アンナおはよう。」
「ごめん待った?」
「全然待ってないよ!」
そういうアンナはハンドバックの中から、スマホを取り出して、
「これで今日は行くから。のりかえ2回あるよ。」
「わかった。」
1時間もすれば、美術館の一番近い駅に着いた。ビルがたくさん高く立っていて少しなれない。あ。ここに来たことがある。日本に来たばかりのころ、観光でここに来た。その時は新しい事ばかりでおろおろしていたっけ。
「ベレンはここに来たことあるでしょ。」
「え?なんでわかったの?」
「だって、着いたしゅんかんここに来た事があるみたいな感じだったもん。」
「うん。美術館には行ってないけどね。」
「えーと。美術館はこっちの出口だね。」
東京の駅はあきらかに入りくんでいて、めいろみたいだった。地下鉄に乗っていたので、エスカレータを3回くらい乗って地上へ着いた。行きかう人は急いでいて、周りのことを何も気にしていないようだった。
「人が多すぎて、○○大学とは全然ちがうね。」
「うん。だってここは東京の中の東京みたいな場所だよ。」
「えーと。アンナ。そっちじゃぜったいにない。こっちだよ。」
10分ほどスマホの地図を見ながら歩くと、美術館が見えてきた。ガラスでできた美術館だった。
「わー。きれいだね。」
「ねー。新しい美術館だね。」
チケットを美術館の外にある外のうけつけで買った。チケットに書道のプリントがあっておしゃれだ。
「このチケットすごくかわいいね。」
「うん。大切にとっておこう。」
そういうと、アンナは長財布にしまった。アンナは思ったよりこういうところがていねいだ。ベレンはかばんにてきとうに入れた。何日か後にぐちゃぐちゃになって出てくるだろう。
美術館の中は思いのほかさわがしかった。こんでいなかったので、少し待つだけでてんらんかいの中に入ることができた。入ってすぐ右に作品がところせましと並んでいた。会場内は少し肌寒く静かだ。
ベレンは作品を見ていたが、日本の漢字がよくわかっていないので何が書いてあるのかがよくわからなかった。けれど、いつも見るパソコンの文字とはまったく違う。紙の上にふでを使って墨(すみ:書道や絵をかくために使う黒いインクのこと)で文字を書く。ただそれだけの白黒の世界のはずなのに、文字のなんとうつくしいことか。
文字のかすれやはらいがふだんの文字とはまったく違う。文字のかたちはもっと自由でのびのびとしていた。
そして、文字の意味に合わせて書き方も変えているようだった。
「この「夢」っていう文字いいわね。」
アンナが言った。
「そうね。この文字の意味はわかるわ。たぶん、夢をひょうげんするために、大きくふでを動かしているみたいだね。」
この作品はベレンの身長くらいのせいほうけいにえがかれていた。
「買いたいね」
「いくらくらいするのだろうね」
ベレンは笑顔になった。美術館の中は人が少なかったから、ゆっくりと見てまわった。げんだいの日本ではもう使われていない古い文字の作品もあれば、紙ではなく木にかかれた作品もあった。書道っていいなと思った。スマホのフォルダにたくさんの書道の写真がたまった。どれくらい練習したら、こんな書が書けるようになるのだろうか。ふと、稲葉(いなば)先生のことを考えていた。稲葉(いなば)先生はどんな書を書くのだろうか。
「ねえ。稲葉(いなば)先生はどんな作品を書くのかな。」
考えることは2人とも同じだったみたいだ。
「今度聞いてみよう。」
てんらんかいを見終わると、もう14時だった。2人は一緒にご飯を食べることにした。
ベレンが寮でご飯を作っていると、アンナからメッセージがきた。内容は、今度書道の展覧会にいかない?ということだった。場所は東京の○○美術館とのことだった。ベレンはすかさず、行きたい!とメッセージを送った。いつ行くの?と聞くと明日がいいと言う。あまりにも急すぎる。幸い、明日は空いていたけれど。それで、駅前に10時に集合して行くことになった。
次の日の朝。
「アンナおはよう。」
「ごめん待った?」
「全然待ってないよ!」
そういうアンナはハンドバックの中から、スマホを取り出して、
「これで今日は行くから。乗り換え2回あるよ。」
「わかった。」
1時間もすれば、美術館の最寄りの駅に着いた。ビルがたくさんそびえ立っていて少し慣れない。あ。ここに来たことがある。日本に来たばかりの頃、観光でここに来た。その時は新鮮な事ばかりでおろおろしていたっけ。
「ベレンはここに来たことあるでしょ。」
「え?なんでわかったの?」
「だって、着いた瞬間ここに来た事があるみたいな感じだったもん。」
「うん。美術館には行ってないけどね。」
「えーと。美術館はこっちの出口だね。」
東京の駅は明らかに入り組んでいて、迷路みたいだった。地下鉄に乗っていたので、エスカレータを3回くらい乗って地上へ着いた。行き交う人は急いでいて、周りのことを何も気にしていないようだった。
「人が多すぎて、○○大学とは全然違うね。」
「うん。だってここは東京の中の東京みたいな場所だよ。」
「えーと。アンナ。そっちじゃ絶対にない。こっちだよ。」
10分ほどスマホの地図を見ながら歩くと、美術館が見えてきた。ガラス張りの美術館だった。
「わー。綺麗だね。」
「ねー。新しい美術館だね。」
チケットを美術館の外にある外の受付で買った。チケットに書道のプリントがあってオシャレだ。
「このチケットすごくかわいいね。」
「うん。大切にとっておこう。」
そういうと、アンナは長財布にしまった。アンナは意外とこういうところが丁寧だ。ベレンは鞄に適当に入れた。何日か後にぐちゃぐちゃになって出てくるだろう。
美術館の中は思いのほか騒がしかった。混んでいなかったので、少し待つだけで展覧会の中に入ることができた。入ってすぐ右に作品が所狭しと並んでいた。会場内は少し肌寒く静かだ。
ベレンは作品を見ていたが、日本の漢字がよくわかっていないので何が書いてあるのかがよくわからなかった。けれど、いつも見るパソコンの文字とは全く違う。紙の上に筆を使って墨で文字を書く。ただそれだけの白黒の世界のはずなのに、文字のなんと美しいことか。
文字のかすれやはらいが普段の文字とは全く違う。文字の形はもっと自由でのびのびとしていた。
そして、文字の意味に合わせて書き方も変えているようだった。
「この夢っていう文字いいわね。」
アンナが言った。
「そうね。この文字の意味はわかるわ。たぶん、夢を表現するために大胆な筆遣いをしているみたいね。」
この作品はベレンの身長くらいの正方形に描かれていた。
「買いたいね」
「いくらくらいするのだろうね」
ベレンは笑顔になった。美術館の中はまばらに人がいたから、のんびりと見て回った。現代の日本ではもう使われていない古い文字の作品もあれば、紙ではなく木にかかれた作品もあった。書道って良いなと思った。スマホのフォルダにたくさんの書道の写真がたまった。どれくらい練習したら、こんな書が書けるようになるのだろうか。ふと、日本語教師の稲葉先生のことが頭に浮かんでいた。稲葉先生はどんな書を書くのだろうか。
「ねえ。稲葉先生はどんな作品を書くのかな。」
考えることは2人とも同じだったみたいだ。
「今度聞いてみよう。」
展覧会を見終わると、もう14時だった。2人は一緒にご飯を食べることにした。
次の日の朝。
「アンナおはよう。」
「ごめん待った?」
「全然待ってないよ!」
そういうアンナはハンドバックの中から、スマホを取り出して、
「これで今日は行くから。乗り換え2回あるよ。」
「わかった。」
1時間もすれば、美術館の最寄りの駅に着いた。ビルがたくさんそびえ立っていて少し慣れない。あ。ここに来たことがある。日本に来たばかりの頃、観光でここに来た。その時は新鮮な事ばかりでおろおろしていたっけ。
「ベレンはここに来たことあるでしょ。」
「え?なんでわかったの?」
「だって、着いた瞬間ここに来た事があるみたいな感じだったもん。」
「うん。美術館には行ってないけどね。」
「えーと。美術館はこっちの出口だね。」
東京の駅は明らかに入り組んでいて、迷路みたいだった。地下鉄に乗っていたので、エスカレータを3回くらい乗って地上へ着いた。行き交う人は急いでいて、周りのことを何も気にしていないようだった。
「人が多すぎて、○○大学とは全然違うね。」
「うん。だってここは東京の中の東京みたいな場所だよ。」
「えーと。アンナ。そっちじゃ絶対にない。こっちだよ。」
10分ほどスマホの地図を見ながら歩くと、美術館が見えてきた。ガラス張りの美術館だった。
「わー。綺麗だね。」
「ねー。新しい美術館だね。」
チケットを美術館の外にある外の受付で買った。チケットに書道のプリントがあってオシャレだ。
「このチケットすごくかわいいね。」
「うん。大切にとっておこう。」
そういうと、アンナは長財布にしまった。アンナは意外とこういうところが丁寧だ。ベレンは鞄に適当に入れた。何日か後にぐちゃぐちゃになって出てくるだろう。
美術館の中は思いのほか騒がしかった。混んでいなかったので、少し待つだけで展覧会の中に入ることができた。入ってすぐ右に作品が所狭しと並んでいた。会場内は少し肌寒く静かだ。
ベレンは作品を見ていたが、日本の漢字がよくわかっていないので何が書いてあるのかがよくわからなかった。けれど、いつも見るパソコンの文字とは全く違う。紙の上に筆を使って墨で文字を書く。ただそれだけの白黒の世界のはずなのに、文字のなんと美しいことか。
文字のかすれやはらいが普段の文字とは全く違う。文字の形はもっと自由でのびのびとしていた。
そして、文字の意味に合わせて書き方も変えているようだった。
「この夢っていう文字いいわね。」
アンナが言った。
「そうね。この文字の意味はわかるわ。たぶん、夢を表現するために大胆な筆遣いをしているみたいね。」
この作品はベレンの身長くらいの正方形に描かれていた。
「買いたいね」
「いくらくらいするのだろうね」
ベレンは笑顔になった。美術館の中はまばらに人がいたから、のんびりと見て回った。現代の日本ではもう使われていない古い文字の作品もあれば、紙ではなく木にかかれた作品もあった。書道って良いなと思った。スマホのフォルダにたくさんの書道の写真がたまった。どれくらい練習したら、こんな書が書けるようになるのだろうか。ふと、日本語教師の稲葉先生のことが頭に浮かんでいた。稲葉先生はどんな書を書くのだろうか。
「ねえ。稲葉先生はどんな作品を書くのかな。」
考えることは2人とも同じだったみたいだ。
「今度聞いてみよう。」
展覧会を見終わると、もう14時だった。2人は一緒にご飯を食べることにした。