Coming soon!
音楽祭からしばらくして、バンドメンバーが練習場に集まった。
「新しい曲ができたのでみんなと聞こうと思って。この曲はぼくとアレでいっしょに作った曲なんだ。もちろん、ケンやタクヤにはすでに聞いてもらっているんだけれど」とヨシがみんなに言った。
ヨシは試しに作ったテープをみんなに聞かせた。カンツォーネ風の音楽がながれてきた。しかも、演奏の間に三味線がながれている。ユミはびっくりした。
「たまたま、ぼくの知り合いに三味線をよく知っている沖縄の友人がいて、アレにいろいろ教えてくれたんだ。アレはおぼえるのが早いからひき方をおぼえてくれたよ。この曲のサビ(曲の一番もり上がるところ)の部分だけ使おうかなと思っているんだよ」ヨシはユミに説明した。
「ヨシ、なんか楽しみな感じがする。でも、アレは三味線の練習大変だったでしょう」
「うん、ちょっとね。でも、新しいことをやってみるのは自分を成長させると思っているよ」
アレは、自信を持ってみんなに伝えた。
三味線を知ったのは、あの涙そうそうの時からだ。
あの音が気になってしかたがなかった
初めて三味線に触れた時、弦(楽器にはられた糸)は3本しかなく、コード(ギターの弦を押さえる方法)のように押さえるところもわからないし、どうやって弾いたらいいかぜんぜんわからなかった。
それから、何回もヨシの友人に教えてもらい何とか曲の間に弾けるように上手くなった。
家でもずっと練習していたのだ。
アレッサンドロはひけばひくほど三味線を好きになっていった。
「ユミ、この歌をぼくたちの代表曲にしよう」とケンは真剣な顔をして言った。
「私、がんばる。この曲を大切にしたい」
新しいこの曲は「旅の空」という題名になった。
ケンズバンドは、アレンジを何回も行いながらより完成度の高い曲をめざして作っていった。
歌詞にはイタリア語も使い、アレッサンドロの気持ちも高まった。
ケンズバンドはこの曲を持っていろいろな場で演奏を行った。
「旅の空」はどこに行ってもり上がった。特に三味線を弾いているアレッサンドロとユミの歌う声の反響が大きく、イタリア大使館からも取材が来たくらいだ。
アレッサンドロは、この曲を演奏するとイタリアの空が目の前に見えるように感じる。
両親や、友人、大好きな場所。
生まれ育った場所にいるような気持ちになる。
そしてユミの声はいつも心を動かす。
まるで、ユミの声はもう一つの楽器のようだ。
「ユミ、ありがとう。きみのおかげでぼくはあたらしい自分を知ることができた」
アレッサンドロは心からこの時に感謝した。
音楽にはなにも壁はない。この空のように。
音楽祭からしばらくたった後、バンドメンバーが練習場に集合した。
「新しい曲ができたのでみんなと聞こうと思って。この曲は僕とアレで一緒に作った曲なんだ。もちろん、ケンやタクヤにはすでに聞いてもらっているんだけど」とヨシがみんなに言った。
ヨシはデモテープをみんなに聞かせた。カンツォーネ風の音楽が流れてきた。しかも、演奏の途中に三味線が流れている。ユミはびっくりした。
「たまたま、僕の知り合いに三味線に詳しい沖縄の友人がいて、アレにいろいろ教えてくれたんだ。アレは呑み込みがいいから弾き方を覚えてくれたよ。この曲のサビの部分だけ使おうかなと思っているんだよ」ヨシはユミに説明した。
「ヨシ、なんかわくわくする。でも、アレは三味線の練習大変だったでしょう」
「うん、ちょっとね。でも、新しいことに挑戦するのは自分にとって成長だと思っているよ」
アレは、誇らしそうにみんなに伝えた。
三味線との出会いは、あの涙そうそうの時からだ。
あの音色が気になって仕方がなかった
初めて三味線に触れた時、弦は3本しかなく、コードの様に押さえるところもわからないし、どうやって弾いたらいいか全くわからなかった。
それから、繰り返しヨシの友人に教えてもらい何とか間奏に弾けるように上達した。
家でもずっと練習していたのだ。
アレッサンドロは弾けば弾くほど三味線の魅力に取りつかれていった。
「ユミ、この歌を僕たちの代表曲にしよう」とケンは真剣な顔をして言った。
「私、頑張るわ。この曲を大切にしたい」
新しいこの曲は「旅の空」というタイトルになった。
ケンズバンドは、アレンジを繰り返しながらより完成度の高い曲へと作り上げていった。
歌詞はイタリア語も取り入れており、アレッサンドロの気持ちも高まった。
ケンズバンドはこの曲をもって様々な場で演奏を行った。
「旅の空」はどこに行っても大歓声を受けた。特に三味線を弾いているアレッサンドロとユミの歌声には反響が大きく、イタリア大使館からも取材が来たくらいだ。
アレッサンドロは、この曲を演奏するたびにイタリアの空が目の前に浮かぶ。
両親や、友人、お気に入りの場所。
故郷にいるような気持になる。
そしてユミの歌声はいつも心を高ぶらせる。
まるで、ユミの声はもう一つの楽器のようだ。
「ユミ、ありがとう。君のおかげで僕はあたらしい自分と出会うことができた」
アレッサンドロは心からこの瞬間に感謝した。
音楽にはなにも壁はない。この空の様に。