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友情は味見から
メイリンの上海での日々
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Coming soon!
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メイリンは中国の上海(シャンハイ)で生まれました。上海の大学に入って、1年生まで上海に住んでいました。上海は中国の経済の中心になっている大きい都市です。日本人もたくさん住んでいます。メイリンの家の近くにも日本人が住んでいました。
メイリンは上海の大学で日本語を専門に勉強していました。中国のとなりにある日本は中国とどのようにちがうのか、とてもきょうみがありました。それで、日本語を勉強してみようと思ったのです。
メイリンが上海の大学1年生だったある夏の日、近くのスーパーで買い物をしていると、見たことがある女の人が近づいてきました。その人は
「あのう、すみません。ときどき道でお会いしますよね。」
と中国語で言いました。上手でしたが、中国人が話す中国語ではありませんでした。日本人のようです。
「はい。たぶん近くに住んでいるんじゃないでしょうか。」
とメイリンは答えました。話してみると、2人とも公園の近くに住んでいることがわかりました。
「ああ、近いですね。大川ともうします。よろしくお願いします。じつは、私は日本人なんです。」
とその女の人は言いました。
「それで、中国のやきぎょうざを作りたいんですが、ねぎとぶた肉のほかに何を買ったらいいですか。」
大川さんの買い物かごにはねぎとぶた肉が入っていました。
「ああ、やきぎょうざですね。中国でぎょうざと言うと、だいたい水(すい)ぎょうざなんです。でも、だいたいわかります。とくに決まりはないんですが、白菜としょうがも入れると、おいしいですよ。それから、少しからいですが、ソースに豆板醬(とうばんじゃん)、中国のからいみそですが、それを入れると中国らしい味になります。」
とメイリンは言いました。
「豆板醤ですね。」
「はい。四川(しせん)料理でよく使います。四川は上海の西のほうにあります。山の多いところです。からい料理が有名です。」
「そうですか。ありがとうございます。じゃ、豆板醤を買って作ってみます。」
大川さんはそう言って、調味料(ちょうみりょう)の売り場に向かいました。
それから、1週間後、メイリンは公園でまた大川さんに会いました。大川さんは小さいお子さんといっしょでした。
「あ、こんにちは。」
「こんにちは。この間はありがとうございました。おかげさまで、おいしいぎょうざができました。」
「そうですか。よかったです。」
「こちらはむすめです。ときどき、いっしょに公園に来るんです。まだ小さいので、なかなかゆっくりできなくて。」
「そうですよね。大変ですね。」
「今、主人が日本の会社の上海支社で働いているんです。去年上海に来たんですが、中国の料理を作りたくても作る時間があまりなくて…。またいつか、中国料理の作り方を教えてくださいね。」
「それなら、かんたんな料理を教えましょうか。」
「えっ、ほんとうですか。じゃ、ときどきお願いしてもいいですか。」
「ええ、いいですよ。私はチョウメイリンともうします。大学1年生です。」
「あらためまして、大川ふみ子ともうします。」
こうして、土曜日の昼、メイリンはときどき大川さんの家で中国料理を教えることになりました。
メイリンは、中国の家庭でよく作られて、自分も作れる料理を教えようと思いました。
(う――ん、八宝菜(はっぽうさい)、エビチリ、麻婆豆腐(マーボードウフ)はたぶん中国人がよく作ると思う。私が作れるのはこれぐらいかなあ…。)
と思って、まず、上海料理の八宝菜を教えようと思いました。教える前に、自分で作ってみました。
まず、白菜、チンゲン菜、にんじん、きくらげ―人の耳の形をしたきのこ―を食べられる大きさに切ります。つぎに、ショウガとニンニクをこまかく切ります。それから、スープのもととしょうゆとお酒と水をまぜておきます。ウズラの卵はゆでておきます。これでじゅんびができました。
これからは作りかたのせつめいです。まず、フライパンにごま油と切ったショウガとニンニクを入れて、かるくまぜます。つぎに、ぶた肉とエビとはじめに切った野菜やきくらげ、ゆでたウズラの卵、それから、さっき作ったしょうゆやお酒などをまぜた水を入れてまぜます。さいごにとかしたかたくり粉を入れて、少しまぜたら、できあがりです。
「できた! よかった。おいしいかどうか食べてみよう。」
メイリンは一口食べてみました。
「うん、おいしい! だいじょうぶ。これなら教えられる!」
メイリンは自しんがつきました。
土曜日の昼前、メイリンは八宝菜のざいりょうを持って、大川さんのおたくに行きました。ご主人とむすめのゆみちゃんもいました。メイリンは、大川さんといっしょに台所で野菜を切ったり、ざいりょうをいためたりして、八宝菜を作りました。
ちょうどお昼ごはんの時間になったので、大川さんの家族といっしょに食べました。
「いただきます。」
「ああ、野菜がやわらかくて食べやすいですね。」
「ええ、おいしいです。」
「おいしいね。」
ご主人とおくさん、そして、ゆみちゃんが言いました。
「よかったです。よろこんでいただけて。」
メイリンはとてもうれしく思いました。
「八宝菜は中国のどの地方の料理なんですか。」
ご主人が聞きました。
「上海の料理です。」
とメイリンは答えました。すると、おくさんが、
「中国には、地方によって、いろいろな料理があるそうですね。」
と言いました。メイリンは
「はい。大きく分けると、北京(ペキン)料理、上海料理、広東(カントン)料理、四川(しせん)料理があります。」
と答えました。すると、ご主人が
「それぞれどんなとくちょうがあるんですか。」
と聞きました。メイリンは、
「ここ上海の料理は、海が近くて川もあるので、魚やエビやカニをよく使います。やさしい味が多いですが、甘いと言われることもあります。あと、四川料理はからいですね。」
と、知っていることを話しました。でも、北京料理や広東料理についてはよく知らなくて、話せませんでした。食事が終わると、大川さんの家族は口々に、おいしかったと言いました。おくさんが
「じゃ、また来月もおねがいしていいですか。」
と聞いたので、メイリンは
「ええ、よろこんで。」
と答えました。
メイリンにとって、とてもうれしい日でした。でも、自分は中国料理のことをよく知らないからもっと勉強しないといけない、と感じました。
そこで、メイリンはまず、中国の料理について考えてみました。
中国には「医食同源(いしょくどうげん)」という考え方があります。「病気をなおすのも、食事をするのも、元気になるために必要で、もともとは同じことだ」という意味です。メイリンも父母に子どものときから食べるのは大切なことだと言われてきました。それから、「民以食力为天」(ミンイーシーウェイティエン)ということわざがあります。「人は、食べることが一番大切だ」という意味です。それから、中国人は「4本足のものはつくえといす以外、とぶものはひこうき以外、何でも食べる」と言われることもあります。このように、中国人は食べることが好きで体のために大切だとかんがえているようです。
では、どのように食べることが多いのでしょうか。ふつうは、いくつかの大きいおさらにそれぞれべつの料理をのせて、テーブルにおきます。何人かでそのテーブルをかこんで、大きいおさらの料理を小さいおさらに取って食べます。このように、だれかといっしょに食べることが多いです。
メイリンは思いました。
(中国ではみんなで食べることを大切にしているのかなあ。)
それから、メイリンは、いろいろな中国料理の本を読んでみました。すると、つぎのようなことがわかりました。
まず、一口に中国料理といっても、場所によってぜんぜんちがいます。この間、大川さんに説明したように、北京(ペキン)料理、上海料理、広東(カントン)料理、四川(しせん)料理に大きく分けられます。北京料理は首都北京の国王の料理から始まりました。あまり甘くなくて、しょっぱいです。上海料理は近くの海や川から取れる魚などをたくさん使います。しょうゆやさとうをたくさん使うので、甘いですが、からいときもあります。広東料理はしんせんな材料を生かしたうすい味のものが多いです。広東は中国の南にあって、魚や動物、植物などの材料がたくさんあるからです。四川料理は、すっぱい、からいなどの味の強いものが多いと言われています。四川では米、小むぎ、とうもろこし、だいず、赤とうがらしなどがたくさん作られています。海からとおいので、肉、川魚、野菜をよく使います。 つぎに、中国人が食べることについてどう考えているかをしらべました。中国人はふつう、家族や友だちとテーブルをかこんで食事をします。これは、ほかの国でも同じかもしれません。けれども、いっしょに食事をして心と心がつながることをとても大切だと考えています。中国人は、それを食べることと同じぐらい、いえ、それより大切だと考えていることがわかりました。
それから、日本人が中国料理をどうかんがえているか、どのように食べているかをしらべました。日本人にとって中国の料理のイメージは、町の店で食べる、安くてしたしみのある料理という場合も、レストランで食べる高級(こうきゅう)な料理という場合もあります。また、「中国料理」は中国で食べられている料理、「中華料理」は、日本人向けに作られた中国の料理という意味で使われることが多いです。「中華料理」という言い方が「中国料理」よりよく使われているそうです。むかし、日本のレストランでは中国人のシェフが「中国料理」を作っていました。今は中国人のシェフに料理を習った日本人のシェフが、「中国料理」や「中華料理」を作っています。
また、日本のレストランには、ときどき、大きくてまるい、回るテーブルがあります。大きいおさらの料理を自分が取ったら、となりの人がその料理を取れるように、テーブルを回します。とても便利そうです。日本人もたくさんの人といっしょに中国の料理を食べて、楽しんでいるようです。
メイリンはそれまで、ただ食べるために料理を作っていました。でも、そのはいけいにはこんなことがあったのだと思いました。
それから、メイリンは大川さんに半年ぐらい中国料理を教えました。メイリンは料理をとおして大川さんと話して、ますます日本にきょうみが出てきました。日本に行って日本人の生活や日本の文化をもっと知りたいと思うようになりました。そして、中国料理をとおして、いろいろな交流(こうりゅう)もできると考えました。それで、留学できる大学をさがすことにしました。
見つかったのは山田大学です。この大学には国際(こくさい)文化学部があります。いろいろな国の文化を勉強する学部です。日本の文化も勉強できます。メイリンは自分が勉強したいことに合った学部だと思いました。それで、大学2年生の1年間、こうかん留学生として留学することにしました。そして、日本の生活と料理をじっさいに見て、中国の料理を日本人といっしょに作ってみたいと思いました。
メイリンは上海の大学で日本語を専門に勉強していました。中国のとなりにある日本は中国とどのようにちがうのか、とてもきょうみがありました。それで、日本語を勉強してみようと思ったのです。
メイリンが上海の大学1年生だったある夏の日、近くのスーパーで買い物をしていると、見たことがある女の人が近づいてきました。その人は
「あのう、すみません。ときどき道でお会いしますよね。」
と中国語で言いました。上手でしたが、中国人が話す中国語ではありませんでした。日本人のようです。
「はい。たぶん近くに住んでいるんじゃないでしょうか。」
とメイリンは答えました。話してみると、2人とも公園の近くに住んでいることがわかりました。
「ああ、近いですね。大川ともうします。よろしくお願いします。じつは、私は日本人なんです。」
とその女の人は言いました。
「それで、中国のやきぎょうざを作りたいんですが、ねぎとぶた肉のほかに何を買ったらいいですか。」
大川さんの買い物かごにはねぎとぶた肉が入っていました。
「ああ、やきぎょうざですね。中国でぎょうざと言うと、だいたい水(すい)ぎょうざなんです。でも、だいたいわかります。とくに決まりはないんですが、白菜としょうがも入れると、おいしいですよ。それから、少しからいですが、ソースに豆板醬(とうばんじゃん)、中国のからいみそですが、それを入れると中国らしい味になります。」
とメイリンは言いました。
「豆板醤ですね。」
「はい。四川(しせん)料理でよく使います。四川は上海の西のほうにあります。山の多いところです。からい料理が有名です。」
「そうですか。ありがとうございます。じゃ、豆板醤を買って作ってみます。」
大川さんはそう言って、調味料(ちょうみりょう)の売り場に向かいました。
それから、1週間後、メイリンは公園でまた大川さんに会いました。大川さんは小さいお子さんといっしょでした。
「あ、こんにちは。」
「こんにちは。この間はありがとうございました。おかげさまで、おいしいぎょうざができました。」
「そうですか。よかったです。」
「こちらはむすめです。ときどき、いっしょに公園に来るんです。まだ小さいので、なかなかゆっくりできなくて。」
「そうですよね。大変ですね。」
「今、主人が日本の会社の上海支社で働いているんです。去年上海に来たんですが、中国の料理を作りたくても作る時間があまりなくて…。またいつか、中国料理の作り方を教えてくださいね。」
「それなら、かんたんな料理を教えましょうか。」
「えっ、ほんとうですか。じゃ、ときどきお願いしてもいいですか。」
「ええ、いいですよ。私はチョウメイリンともうします。大学1年生です。」
「あらためまして、大川ふみ子ともうします。」
こうして、土曜日の昼、メイリンはときどき大川さんの家で中国料理を教えることになりました。
メイリンは、中国の家庭でよく作られて、自分も作れる料理を教えようと思いました。
(う――ん、八宝菜(はっぽうさい)、エビチリ、麻婆豆腐(マーボードウフ)はたぶん中国人がよく作ると思う。私が作れるのはこれぐらいかなあ…。)
と思って、まず、上海料理の八宝菜を教えようと思いました。教える前に、自分で作ってみました。
まず、白菜、チンゲン菜、にんじん、きくらげ―人の耳の形をしたきのこ―を食べられる大きさに切ります。つぎに、ショウガとニンニクをこまかく切ります。それから、スープのもととしょうゆとお酒と水をまぜておきます。ウズラの卵はゆでておきます。これでじゅんびができました。
これからは作りかたのせつめいです。まず、フライパンにごま油と切ったショウガとニンニクを入れて、かるくまぜます。つぎに、ぶた肉とエビとはじめに切った野菜やきくらげ、ゆでたウズラの卵、それから、さっき作ったしょうゆやお酒などをまぜた水を入れてまぜます。さいごにとかしたかたくり粉を入れて、少しまぜたら、できあがりです。
「できた! よかった。おいしいかどうか食べてみよう。」
メイリンは一口食べてみました。
「うん、おいしい! だいじょうぶ。これなら教えられる!」
メイリンは自しんがつきました。
土曜日の昼前、メイリンは八宝菜のざいりょうを持って、大川さんのおたくに行きました。ご主人とむすめのゆみちゃんもいました。メイリンは、大川さんといっしょに台所で野菜を切ったり、ざいりょうをいためたりして、八宝菜を作りました。
ちょうどお昼ごはんの時間になったので、大川さんの家族といっしょに食べました。
「いただきます。」
「ああ、野菜がやわらかくて食べやすいですね。」
「ええ、おいしいです。」
「おいしいね。」
ご主人とおくさん、そして、ゆみちゃんが言いました。
「よかったです。よろこんでいただけて。」
メイリンはとてもうれしく思いました。
「八宝菜は中国のどの地方の料理なんですか。」
ご主人が聞きました。
「上海の料理です。」
とメイリンは答えました。すると、おくさんが、
「中国には、地方によって、いろいろな料理があるそうですね。」
と言いました。メイリンは
「はい。大きく分けると、北京(ペキン)料理、上海料理、広東(カントン)料理、四川(しせん)料理があります。」
と答えました。すると、ご主人が
「それぞれどんなとくちょうがあるんですか。」
と聞きました。メイリンは、
「ここ上海の料理は、海が近くて川もあるので、魚やエビやカニをよく使います。やさしい味が多いですが、甘いと言われることもあります。あと、四川料理はからいですね。」
と、知っていることを話しました。でも、北京料理や広東料理についてはよく知らなくて、話せませんでした。食事が終わると、大川さんの家族は口々に、おいしかったと言いました。おくさんが
「じゃ、また来月もおねがいしていいですか。」
と聞いたので、メイリンは
「ええ、よろこんで。」
と答えました。
メイリンにとって、とてもうれしい日でした。でも、自分は中国料理のことをよく知らないからもっと勉強しないといけない、と感じました。
そこで、メイリンはまず、中国の料理について考えてみました。
中国には「医食同源(いしょくどうげん)」という考え方があります。「病気をなおすのも、食事をするのも、元気になるために必要で、もともとは同じことだ」という意味です。メイリンも父母に子どものときから食べるのは大切なことだと言われてきました。それから、「民以食力为天」(ミンイーシーウェイティエン)ということわざがあります。「人は、食べることが一番大切だ」という意味です。それから、中国人は「4本足のものはつくえといす以外、とぶものはひこうき以外、何でも食べる」と言われることもあります。このように、中国人は食べることが好きで体のために大切だとかんがえているようです。
では、どのように食べることが多いのでしょうか。ふつうは、いくつかの大きいおさらにそれぞれべつの料理をのせて、テーブルにおきます。何人かでそのテーブルをかこんで、大きいおさらの料理を小さいおさらに取って食べます。このように、だれかといっしょに食べることが多いです。
メイリンは思いました。
(中国ではみんなで食べることを大切にしているのかなあ。)
それから、メイリンは、いろいろな中国料理の本を読んでみました。すると、つぎのようなことがわかりました。
まず、一口に中国料理といっても、場所によってぜんぜんちがいます。この間、大川さんに説明したように、北京(ペキン)料理、上海料理、広東(カントン)料理、四川(しせん)料理に大きく分けられます。北京料理は首都北京の国王の料理から始まりました。あまり甘くなくて、しょっぱいです。上海料理は近くの海や川から取れる魚などをたくさん使います。しょうゆやさとうをたくさん使うので、甘いですが、からいときもあります。広東料理はしんせんな材料を生かしたうすい味のものが多いです。広東は中国の南にあって、魚や動物、植物などの材料がたくさんあるからです。四川料理は、すっぱい、からいなどの味の強いものが多いと言われています。四川では米、小むぎ、とうもろこし、だいず、赤とうがらしなどがたくさん作られています。海からとおいので、肉、川魚、野菜をよく使います。 つぎに、中国人が食べることについてどう考えているかをしらべました。中国人はふつう、家族や友だちとテーブルをかこんで食事をします。これは、ほかの国でも同じかもしれません。けれども、いっしょに食事をして心と心がつながることをとても大切だと考えています。中国人は、それを食べることと同じぐらい、いえ、それより大切だと考えていることがわかりました。
それから、日本人が中国料理をどうかんがえているか、どのように食べているかをしらべました。日本人にとって中国の料理のイメージは、町の店で食べる、安くてしたしみのある料理という場合も、レストランで食べる高級(こうきゅう)な料理という場合もあります。また、「中国料理」は中国で食べられている料理、「中華料理」は、日本人向けに作られた中国の料理という意味で使われることが多いです。「中華料理」という言い方が「中国料理」よりよく使われているそうです。むかし、日本のレストランでは中国人のシェフが「中国料理」を作っていました。今は中国人のシェフに料理を習った日本人のシェフが、「中国料理」や「中華料理」を作っています。
また、日本のレストランには、ときどき、大きくてまるい、回るテーブルがあります。大きいおさらの料理を自分が取ったら、となりの人がその料理を取れるように、テーブルを回します。とても便利そうです。日本人もたくさんの人といっしょに中国の料理を食べて、楽しんでいるようです。
メイリンはそれまで、ただ食べるために料理を作っていました。でも、そのはいけいにはこんなことがあったのだと思いました。
それから、メイリンは大川さんに半年ぐらい中国料理を教えました。メイリンは料理をとおして大川さんと話して、ますます日本にきょうみが出てきました。日本に行って日本人の生活や日本の文化をもっと知りたいと思うようになりました。そして、中国料理をとおして、いろいろな交流(こうりゅう)もできると考えました。それで、留学できる大学をさがすことにしました。
見つかったのは山田大学です。この大学には国際(こくさい)文化学部があります。いろいろな国の文化を勉強する学部です。日本の文化も勉強できます。メイリンは自分が勉強したいことに合った学部だと思いました。それで、大学2年生の1年間、こうかん留学生として留学することにしました。そして、日本の生活と料理をじっさいに見て、中国の料理を日本人といっしょに作ってみたいと思いました。