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2日後、物理学科の本田先生に呼ばれました。
「ユーくん、この間の面接はどうでしたか。」
「とてもきんちょうしました。」
「そうですか。山本先生からなんですけれど、天文学科には行けないことになりました。」
「えっ・・・・・・。」
ユーはことばが出ませんでした。
「あっ、だいじょうぶですか。顔が青くなってる・・・。」
先生もユーの顔を見て、ことばが出ませんでした。
「ユーくん、とにかくおちついて。水を飲んでください。」
先生はユーの前にコップをおきました。ユーは ごくんと水を飲みました。
「先生、先生、どうしたらいいのか・・・・・・。天文学科に入るために日本に来てがんばってきたんです・・・・・・。どうして・・・・・・。」
ユーの声は消えそうでした。
「山本先生もざんねんそうでした。どうして日本で天文学を勉強したいのか、理由(りゆう)がちょっと弱(よわ)かったようです。」
「えっ、そうですか・・・・・・。」
「でも、ユーくん、きみががんばってきたのはよくわかります。天文学以外(いがい)に勉強したいことや好きなことはありませんか。」
「・・・・・・。」
ユーはことばが出ませんでした。
「そうですよね。急に言われてもね。考えてみてください。せっかく日本に来てこの大学に入ったのですから、それを生かしたいですよね。私もそう思っています。」
つぎの日、ユーは本田先生に会いに行きました。前のユーとはちがって、すぐ気を取りなおしたようです。
「先生、考えてみたんですが、好きなことは空を見ることです。子どもの時から空を見ておもしろいなあと思っていました。」
「ああ、そうですか。それはいい。天気の勉強をするのはどうですか。物理学科に地球(ちきゅう)物理学コースがあります。私もそこで教えることがあります。」
「ああ・・・、そうですか。」
ユーは少しにっこりして言いました。先生はおっしゃいました。
「天気に関係(かんけい)があることは気象(きしょう)とも言いますが、毎日へんかがあります。そして、長い時間で見れば、地球温暖化(ちきゅうおんだんか)がすすんでいると言われています。そういうことを学問として勉強するのは、とても意味のあることだと思いますよ。」
「そうですね・・・。」
「それに、中国と日本はとなりの国、気象(きしょう)のへんかがつながっています。そして、どちらの国にも日本人も中国人も住んでいますよね。たとえば、日本なら、天気予報(よほう)を中国人に中国語で伝えられれば、直接(ちょくせつ)、人のやくにも立ちますね。」
ユーは本田先生の話がよくわかって、心にしみる気がしました。
「そうですね! それなら、ぼくは日本で勉強する意味がありますね!」
こうしてユーは、2年生から物理学科地球物理学コースにすすむことになりました。
それから3年後、大学をそつぎょうしたユーは、今、日本で気象予報士(きしょうよほうし)として働いています。台風や大雪などの時は、中国人に中国語できけんを知らせることもあります。これからも人のやくに立てるように、そして、地球(ちきゅう)をまもれるように、もっと気象(きしょう)についてふかく勉強していこうと思っています。
ユーは、子どもの時に好きだったことを仕事にすることができました。その意味ではユーは子どもの時と変わっていないと言えるかもしれません。けれども、苦しいことを乗りこえて強くなったユーは、この仕事にたどりつきました。今、ユーは仕事の意味がしっかりとわかって、これからも勉強したいと思っています。子どもの時とはちがう、生まれ変わったユーなのです。
「ユーくん、この間の面接はどうでしたか。」
「とてもきんちょうしました。」
「そうですか。山本先生からなんですけれど、天文学科には行けないことになりました。」
「えっ・・・・・・。」
ユーはことばが出ませんでした。
「あっ、だいじょうぶですか。顔が青くなってる・・・。」
先生もユーの顔を見て、ことばが出ませんでした。
「ユーくん、とにかくおちついて。水を飲んでください。」
先生はユーの前にコップをおきました。ユーは ごくんと水を飲みました。
「先生、先生、どうしたらいいのか・・・・・・。天文学科に入るために日本に来てがんばってきたんです・・・・・・。どうして・・・・・・。」
ユーの声は消えそうでした。
「山本先生もざんねんそうでした。どうして日本で天文学を勉強したいのか、理由(りゆう)がちょっと弱(よわ)かったようです。」
「えっ、そうですか・・・・・・。」
「でも、ユーくん、きみががんばってきたのはよくわかります。天文学以外(いがい)に勉強したいことや好きなことはありませんか。」
「・・・・・・。」
ユーはことばが出ませんでした。
「そうですよね。急に言われてもね。考えてみてください。せっかく日本に来てこの大学に入ったのですから、それを生かしたいですよね。私もそう思っています。」
つぎの日、ユーは本田先生に会いに行きました。前のユーとはちがって、すぐ気を取りなおしたようです。
「先生、考えてみたんですが、好きなことは空を見ることです。子どもの時から空を見ておもしろいなあと思っていました。」
「ああ、そうですか。それはいい。天気の勉強をするのはどうですか。物理学科に地球(ちきゅう)物理学コースがあります。私もそこで教えることがあります。」
「ああ・・・、そうですか。」
ユーは少しにっこりして言いました。先生はおっしゃいました。
「天気に関係(かんけい)があることは気象(きしょう)とも言いますが、毎日へんかがあります。そして、長い時間で見れば、地球温暖化(ちきゅうおんだんか)がすすんでいると言われています。そういうことを学問として勉強するのは、とても意味のあることだと思いますよ。」
「そうですね・・・。」
「それに、中国と日本はとなりの国、気象(きしょう)のへんかがつながっています。そして、どちらの国にも日本人も中国人も住んでいますよね。たとえば、日本なら、天気予報(よほう)を中国人に中国語で伝えられれば、直接(ちょくせつ)、人のやくにも立ちますね。」
ユーは本田先生の話がよくわかって、心にしみる気がしました。
「そうですね! それなら、ぼくは日本で勉強する意味がありますね!」
こうしてユーは、2年生から物理学科地球物理学コースにすすむことになりました。
それから3年後、大学をそつぎょうしたユーは、今、日本で気象予報士(きしょうよほうし)として働いています。台風や大雪などの時は、中国人に中国語できけんを知らせることもあります。これからも人のやくに立てるように、そして、地球(ちきゅう)をまもれるように、もっと気象(きしょう)についてふかく勉強していこうと思っています。
ユーは、子どもの時に好きだったことを仕事にすることができました。その意味ではユーは子どもの時と変わっていないと言えるかもしれません。けれども、苦しいことを乗りこえて強くなったユーは、この仕事にたどりつきました。今、ユーは仕事の意味がしっかりとわかって、これからも勉強したいと思っています。子どもの時とはちがう、生まれ変わったユーなのです。
2日後、物理学科の本田先生に呼ばれました。
「ユーくん、この間の面接はどうでしたか。」
「とてもきんちょうしました。」
「そうですか。山本先生からなんですけれど、天文学科には行けないことになりました。」
「えっ・・・・・・。」
ユーはことばが出ませんでした。
「あっ、だいじょうぶですか。顔が青くなってる・・・。」
先生もユーの顔を見て、ことばが出ませんでした。
「ユーくん、とにかくおちついて。水を飲んでください。」
先生はユーの前にコップをおきました。ユーは ごくんと水を飲みました。
「先生、先生、どうしたらいいのか・・・・・・。天文学科に入るために日本に来てがんばってきたんです・・・・・・。どうして・・・・・・。」
ユーの声は消えそうでした。
「山本先生もざんねんそうでした。どうして日本で天文学を勉強したいのか、理由(りゆう)がちょっと弱(よわ)かったようです。」
「えっ、そうですか・・・・・・。」
「でも、ユーくん、きみががんばってきたのはよくわかります。天文学以外(いがい)に勉強したいことや好きなことはありませんか。」
「・・・・・・。」
ユーはことばが出ませんでした。
「そうですよね。急に言われてもね。考えてみてください。せっかく日本に来てこの大学に入ったのですから、それを生かしたいですよね。私もそう思っています。」
つぎの日、ユーは本田先生に会いに行きました。前のユーとはちがって、すぐ気を取りなおしたようです。
「先生、考えてみたんですが、好きなことは空を見ることです。子どもの時から空を見ておもしろいなあと思っていました。」
「ああ、そうですか。それはいい。天気の勉強をするのはどうですか。物理学科に地球(ちきゅう)物理学コースがあります。私もそこで教えることがあります。」
「ああ・・・、そうですか。」
ユーは少しにっこりして言いました。先生はおっしゃいました。
「天気に関係(かんけい)があることは気象(きしょう)とも言いますが、毎日変化があります。そして、長い時間で見れば、地球温暖化(ちきゅうおんだんか)がすすんでいると言われています。そういうことを学問として勉強するのは、とても意味のあることだと思いますよ。」
「そうですね・・・。」
「それに、中国と日本はとなりの国、気象の変化がつながっています。そして、どちらの国にも日本人も中国人も住んでいますよね。たとえば、日本なら、天気予報(よほう)を中国人に中国語で伝えられれば、直接(ちょくせつ)、人の役にも立ちますね。」
ユーは本田先生の話がよくわかって、心にしみる気がしました。
「そうですね! それなら、ぼくは日本で勉強する意味がありますね!」
こうしてユーは、2年生から物理学科地球物理学コースにすすむことになりました。
それから3年後、大学を卒業したユーは、今、日本で気象予報士(きしょうよほうし)として働いています。台風や大雪などの時は、中国人に中国語で危険を知らせることもあります。これからも人の役に立てるように、そして、地球をまもれるように、もっと気象についてふかく勉強していこうと思っています。
ユーは、子どもの時に好きだったことを仕事にすることができました。その意味ではユーは子どもの時と変わっていないと言えるかもしれません。けれども、苦しいことを乗りこえて強くなったユーは、この仕事にたどりつきました。今、ユーは仕事の意味がしっかりとわかって、これからも勉強したいと思っています。子どもの時とはちがう、生まれ変わったユーなのです。
「ユーくん、この間の面接はどうでしたか。」
「とてもきんちょうしました。」
「そうですか。山本先生からなんですけれど、天文学科には行けないことになりました。」
「えっ・・・・・・。」
ユーはことばが出ませんでした。
「あっ、だいじょうぶですか。顔が青くなってる・・・。」
先生もユーの顔を見て、ことばが出ませんでした。
「ユーくん、とにかくおちついて。水を飲んでください。」
先生はユーの前にコップをおきました。ユーは ごくんと水を飲みました。
「先生、先生、どうしたらいいのか・・・・・・。天文学科に入るために日本に来てがんばってきたんです・・・・・・。どうして・・・・・・。」
ユーの声は消えそうでした。
「山本先生もざんねんそうでした。どうして日本で天文学を勉強したいのか、理由(りゆう)がちょっと弱(よわ)かったようです。」
「えっ、そうですか・・・・・・。」
「でも、ユーくん、きみががんばってきたのはよくわかります。天文学以外(いがい)に勉強したいことや好きなことはありませんか。」
「・・・・・・。」
ユーはことばが出ませんでした。
「そうですよね。急に言われてもね。考えてみてください。せっかく日本に来てこの大学に入ったのですから、それを生かしたいですよね。私もそう思っています。」
つぎの日、ユーは本田先生に会いに行きました。前のユーとはちがって、すぐ気を取りなおしたようです。
「先生、考えてみたんですが、好きなことは空を見ることです。子どもの時から空を見ておもしろいなあと思っていました。」
「ああ、そうですか。それはいい。天気の勉強をするのはどうですか。物理学科に地球(ちきゅう)物理学コースがあります。私もそこで教えることがあります。」
「ああ・・・、そうですか。」
ユーは少しにっこりして言いました。先生はおっしゃいました。
「天気に関係(かんけい)があることは気象(きしょう)とも言いますが、毎日変化があります。そして、長い時間で見れば、地球温暖化(ちきゅうおんだんか)がすすんでいると言われています。そういうことを学問として勉強するのは、とても意味のあることだと思いますよ。」
「そうですね・・・。」
「それに、中国と日本はとなりの国、気象の変化がつながっています。そして、どちらの国にも日本人も中国人も住んでいますよね。たとえば、日本なら、天気予報(よほう)を中国人に中国語で伝えられれば、直接(ちょくせつ)、人の役にも立ちますね。」
ユーは本田先生の話がよくわかって、心にしみる気がしました。
「そうですね! それなら、ぼくは日本で勉強する意味がありますね!」
こうしてユーは、2年生から物理学科地球物理学コースにすすむことになりました。
それから3年後、大学を卒業したユーは、今、日本で気象予報士(きしょうよほうし)として働いています。台風や大雪などの時は、中国人に中国語で危険を知らせることもあります。これからも人の役に立てるように、そして、地球をまもれるように、もっと気象についてふかく勉強していこうと思っています。
ユーは、子どもの時に好きだったことを仕事にすることができました。その意味ではユーは子どもの時と変わっていないと言えるかもしれません。けれども、苦しいことを乗りこえて強くなったユーは、この仕事にたどりつきました。今、ユーは仕事の意味がしっかりとわかって、これからも勉強したいと思っています。子どもの時とはちがう、生まれ変わったユーなのです。