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たび
石岡のお祭り
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Coming soon!
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そして9月になり、稲葉さんという日本人の学生が「石岡のお祭り」に行かないかと誘ってくれました。稲葉さんは石岡出身の人で全国でも有名なこのお祭りをぜひ見てほしいと言ってくれたので、クラスの何人かと出かけることにしました。
もちろんイザベラも一緒です。
「石岡のお祭りは、もともと稲の豊作を願って始められたお祭りなの。中心となる神社を石岡にある15の町が順番に守って、1年ごとにその役割を交替するのよ。その時たくさんの人がいくつもの大きな車のついた大神輿(山車;だし)を引いて町を練り歩くの。とても素晴らしいいのでぜひ見てください!」と稲葉さんは説明してくれました。
マリアは、リオのサンバカーニバルでも似たような山車があることを思い出しました。
黒人や先住民族の歴史などをテーマにした豪華な山車が次々に通りをダンサーとともに通って行きます。それはとてもリズミカルで興奮する瞬間です。
「私はサンバを踊ったことがあってこのようなお祭りは経験があります」マリアは言いました。
「すごいなー。マリアはとてもエネルギッシュ! このお祭りはどうかな?」
稲葉さんはちょっと心配そうでした。
「石岡のお祭りとの違いは何だろう」
祭りに参加するのを楽しみにして石岡に向かいました。
石岡の町は、ものすごい人であふれていました。マリアたちは途中でビールを飲んだり、たこ焼きなどを食べながら祭りを鑑賞しました。
山車の上には様々な人形が乗っていて、その周りには笛を吹いたり太鼓をたたく人、踊り手も乗っていました。多い所では15人ほどいるそうです。踊り手はお面を付けて着物を着ていて音楽に合わせて踊っていました。その中には小学生みたいな子どももいてびっくりしました。その山車を同じ衣装を着たたくさんの人が大きな声で何かを叫びながら引いていました。
「見て、大きなライオンみたいのがいる!」
「アレは獅子頭といって人がかぶっているのですよ」と稲葉さんは教えてくれました。
赤い獅子頭が山車の先頭に立っていました。
山車はいろいろな場所で見ることができました。にぎやかに飾り付けがあって、どれも歴史上の人物の人形だそうです。。
音楽は聞きなれないリズムの音でした、着物も日本の伝統的なもので、踊りもあまり動きがなくて、両手足をくねくねと揺らしていました。
稲葉さんは言いました。
「日本には自然すべてのものに神様がいると信じられています。八百万(やおよろず)の神と言われていますが聞いたことはありますか?祭りは神様への感謝や祈りをささげるものなんです。あの山車という車は自然の山を形にしたものです。山や木々にいる神様をお祭りの間に来てもらおうといろいろと飾りをしたのです。人々はこの特別な時間のためにたくさんの準備をし、普段と違う日常を楽しむのです。それ以外は毎日平凡な日常なので、このお祭りのために毎日働いているという人もいるくらいなんですよ」
マリアは理解できました。それはサンバカーニバルも同じでした。
表現する内容は違うけれど、カーニバルのために毎日があると言っても言い過ぎじゃありません。そのために長い時間練習したり、衣装を準備したりします。
毎日の生活は祭りのためのエネルギーになっていると思いました。
「稲葉さん、お祭りは人生を豊かにするスパイスですね」
「マリアさん、いいこと言いますね。確かにそうですね。お祭りがなかったら何を楽しみにしてていったらいいのか分かりません。人々の団結も生まれます。今は、そうでもないですが、特に地方はほかに楽しむ方法が少なかったのです」
マリアは、祭りに熱狂する人々の明るく生き生きとした表情をみて、この時間は人生に欠かせないものだと感じました。
お祭りの周辺ではたくさんの店があり、その中でそばを食べさせるフードコートがありました。
みんなでそばを食べようと並んで食べることにしました。
野菜がたくさん入ったそばはとてもおいしかったです。店の人に聞くと、けんちんそばというそうです。
「けんちん?」
「そう、ニンジンやレンコン、サトイモなど色々な野菜をいれるのよ」
とひとりの婦人が教えてくれました。
この野菜はほとんど自分たちの畑で作ったものを使って、蕎麦も自分たちで打ったそうです。マリアはびっくりしました。
「大変ですよね?」と聞くと、一人の婦人が答えてくれました。
「私たちは今まで野菜を作ることばかりでどんな人が食べているのか知る機会がなかったの。でもお祭りの時だけだけど、思い切ってこのお店をやるようになって、皆さんがおいしいと言ってくれることが何よりも幸せ。もっとおいしくするにはどうしたらいいか、みんなで相談しながらいろいろ改良しているのよ」
「こちらの人は、蕎麦打ちの勉強を一からして、今ではすごく上手になったの」と教えてくれました。
「みんなとても元気で、仲がいいですね」マリアは心からそう思いました。
「私たちの生きがいなの。毎年お祭りのために元気で集まろうねってがんばっているのよ」
「そうそう、みんなで声を掛け合ってね」と答えてくれました。
こうやって、お祭りを支えるのは踊ったりするだけじゃなく、それぞれができる役割を果たしていると思いました。婦人たちはほとんどが高齢者でした。みな生き生きと楽しそうに働いています。
「自分たちの意志で店を出し、自分たちの作った野菜でけんちんそばを作る」
「誰かが食べておいしいと言ってくれ、それが生きがいだ」
マリアは婦人たちのきびきびした動きや、みなが協力している姿に感動しました。
「稲葉さん、日本の人たちは年をとってもよく働きますね。びっくりしました」マリアは店を出てから言いました。
「そうね、私の祖父母も畑をやってるわよ。この辺りじゃ普通よ」稲葉さんは笑って言いました。
「ブラジルでは年を取ると家にいることが多いです。あんなに元気で働くってすごい」
マリアはブラジルの近所の高齢者の姿を思い浮かべました。
「健康の意識が強いからかもしれないわね、それに人と接していることで元気になれると思っている人が多いんじゃないかな」
「それはあの人たちを見て思いました」
マリアは言いました。
またしばらくお祭りを楽しんだ後、暗くなる前に戻ろうということになりました。
「マリア、お祭りはどうだった?」稲葉さんが聞きました。
「とっても良かった!踊りはそんなにエネルギッシュではないけど、掛け声はエキサイティングだし、皆で協力して何かを作り上げているというところがすごい」マリアはスマホに取った動画を見ながら言いました
「そうね、何か一つのことに向かっていくという勢いがあるわね。やっぱりお祭りはいいわー、元気になるのよね」稲葉さんも満足そうでした。
もちろんイザベラも一緒です。
「石岡のお祭りは、もともと稲の豊作を願って始められたお祭りなの。中心となる神社を石岡にある15の町が順番に守って、1年ごとにその役割を交替するのよ。その時たくさんの人がいくつもの大きな車のついた大神輿(山車;だし)を引いて町を練り歩くの。とても素晴らしいいのでぜひ見てください!」と稲葉さんは説明してくれました。
マリアは、リオのサンバカーニバルでも似たような山車があることを思い出しました。
黒人や先住民族の歴史などをテーマにした豪華な山車が次々に通りをダンサーとともに通って行きます。それはとてもリズミカルで興奮する瞬間です。
「私はサンバを踊ったことがあってこのようなお祭りは経験があります」マリアは言いました。
「すごいなー。マリアはとてもエネルギッシュ! このお祭りはどうかな?」
稲葉さんはちょっと心配そうでした。
「石岡のお祭りとの違いは何だろう」
祭りに参加するのを楽しみにして石岡に向かいました。
石岡の町は、ものすごい人であふれていました。マリアたちは途中でビールを飲んだり、たこ焼きなどを食べながら祭りを鑑賞しました。
山車の上には様々な人形が乗っていて、その周りには笛を吹いたり太鼓をたたく人、踊り手も乗っていました。多い所では15人ほどいるそうです。踊り手はお面を付けて着物を着ていて音楽に合わせて踊っていました。その中には小学生みたいな子どももいてびっくりしました。その山車を同じ衣装を着たたくさんの人が大きな声で何かを叫びながら引いていました。
「見て、大きなライオンみたいのがいる!」
「アレは獅子頭といって人がかぶっているのですよ」と稲葉さんは教えてくれました。
赤い獅子頭が山車の先頭に立っていました。
山車はいろいろな場所で見ることができました。にぎやかに飾り付けがあって、どれも歴史上の人物の人形だそうです。。
音楽は聞きなれないリズムの音でした、着物も日本の伝統的なもので、踊りもあまり動きがなくて、両手足をくねくねと揺らしていました。
稲葉さんは言いました。
「日本には自然すべてのものに神様がいると信じられています。八百万(やおよろず)の神と言われていますが聞いたことはありますか?祭りは神様への感謝や祈りをささげるものなんです。あの山車という車は自然の山を形にしたものです。山や木々にいる神様をお祭りの間に来てもらおうといろいろと飾りをしたのです。人々はこの特別な時間のためにたくさんの準備をし、普段と違う日常を楽しむのです。それ以外は毎日平凡な日常なので、このお祭りのために毎日働いているという人もいるくらいなんですよ」
マリアは理解できました。それはサンバカーニバルも同じでした。
表現する内容は違うけれど、カーニバルのために毎日があると言っても言い過ぎじゃありません。そのために長い時間練習したり、衣装を準備したりします。
毎日の生活は祭りのためのエネルギーになっていると思いました。
「稲葉さん、お祭りは人生を豊かにするスパイスですね」
「マリアさん、いいこと言いますね。確かにそうですね。お祭りがなかったら何を楽しみにしてていったらいいのか分かりません。人々の団結も生まれます。今は、そうでもないですが、特に地方はほかに楽しむ方法が少なかったのです」
マリアは、祭りに熱狂する人々の明るく生き生きとした表情をみて、この時間は人生に欠かせないものだと感じました。
お祭りの周辺ではたくさんの店があり、その中でそばを食べさせるフードコートがありました。
みんなでそばを食べようと並んで食べることにしました。
野菜がたくさん入ったそばはとてもおいしかったです。店の人に聞くと、けんちんそばというそうです。
「けんちん?」
「そう、ニンジンやレンコン、サトイモなど色々な野菜をいれるのよ」
とひとりの婦人が教えてくれました。
この野菜はほとんど自分たちの畑で作ったものを使って、蕎麦も自分たちで打ったそうです。マリアはびっくりしました。
「大変ですよね?」と聞くと、一人の婦人が答えてくれました。
「私たちは今まで野菜を作ることばかりでどんな人が食べているのか知る機会がなかったの。でもお祭りの時だけだけど、思い切ってこのお店をやるようになって、皆さんがおいしいと言ってくれることが何よりも幸せ。もっとおいしくするにはどうしたらいいか、みんなで相談しながらいろいろ改良しているのよ」
「こちらの人は、蕎麦打ちの勉強を一からして、今ではすごく上手になったの」と教えてくれました。
「みんなとても元気で、仲がいいですね」マリアは心からそう思いました。
「私たちの生きがいなの。毎年お祭りのために元気で集まろうねってがんばっているのよ」
「そうそう、みんなで声を掛け合ってね」と答えてくれました。
こうやって、お祭りを支えるのは踊ったりするだけじゃなく、それぞれができる役割を果たしていると思いました。婦人たちはほとんどが高齢者でした。みな生き生きと楽しそうに働いています。
「自分たちの意志で店を出し、自分たちの作った野菜でけんちんそばを作る」
「誰かが食べておいしいと言ってくれ、それが生きがいだ」
マリアは婦人たちのきびきびした動きや、みなが協力している姿に感動しました。
「稲葉さん、日本の人たちは年をとってもよく働きますね。びっくりしました」マリアは店を出てから言いました。
「そうね、私の祖父母も畑をやってるわよ。この辺りじゃ普通よ」稲葉さんは笑って言いました。
「ブラジルでは年を取ると家にいることが多いです。あんなに元気で働くってすごい」
マリアはブラジルの近所の高齢者の姿を思い浮かべました。
「健康の意識が強いからかもしれないわね、それに人と接していることで元気になれると思っている人が多いんじゃないかな」
「それはあの人たちを見て思いました」
マリアは言いました。
またしばらくお祭りを楽しんだ後、暗くなる前に戻ろうということになりました。
「マリア、お祭りはどうだった?」稲葉さんが聞きました。
「とっても良かった!踊りはそんなにエネルギッシュではないけど、掛け声はエキサイティングだし、皆で協力して何かを作り上げているというところがすごい」マリアはスマホに取った動画を見ながら言いました
「そうね、何か一つのことに向かっていくという勢いがあるわね。やっぱりお祭りはいいわー、元気になるのよね」稲葉さんも満足そうでした。