Coming soon!
メイはステージがはじまる時間を待っていました。大学祭のステージの前にはたくさんの人がいました。ほとんどは知らない人でしたが、日本語教室のクラスの人、そしてゆう子さんも見えました。大学の先生も見に来ていました。
メイはとてもドキドキしていました。
「こんなにたくさんの人の前で、まちがえたらどうしよう」
のどがかわいて、水をたくさん飲みました。トイレへも何度も行きました。何度も何度もおどりを正しくできるか思い出して、きもちを静かにしようとしました。でも、だめでした。ドキドキしたままで、ステージが始まる時間が近くなります。そして、その時間が来ました。
ステージの上に立つと、あたまの中が白くなってしまって、何も考えることができなくなりました。ドキドキして足がふるえました。手に持った「なるこ」がカタカタと音を立てました。このまま、おどる前にステージをおりてしまいたくなりました。
リーダーのなお美さんは、おどりをはじめる前に、サークルのみんなのかおを見ました。そして、にっこりとわらいました。ふしぎですが、メイの足のふるえが止まりました。
音楽がなりはじめると、メイはドキドキしているのも忘れて、音楽のままに体をうごかしていました。何も考えないのに、おどっているみんなのおどりと音楽にあわせて体がうごいていました。どこか別の世界に行ってしまったような気がしました。
気づくと、ステージは終わっていました。見ている人たちは大きな拍手をして、よろこんだ声をあげていました。
ステージのうらにもどると、サークルのみんなは、こうふんして大きい声で話しています。なお美さんがみんなに言いました。
「みんな、やったね! あの拍手、聞いた?」
でも、メイは今、自分に何がおこったのか、自分が何をしたのかもわかりませんでした。静かにすわっていました。
ゆう子さんが会いに来てくれました。
「メイ、いいステージだった。メイはよくがんばった」
ゆう子さんのかおを見ると、メイはいつもの世界にもどってきたような気がしました。
そして、目の前に新しい世界へのとびらが開いたような気がしていました。
メイはステージが始まる時間を待っていました。学園祭のステージの前にはたくさんの人がいました。ほとんどは知らない人でしたが、日本語教室のクラスメイト、そしてゆう子さんの顔も見えました。大学の先生も見に来ていました。
メイはとても緊張していました。
「こんなにたくさんの人の前で、間違えたらどうしよう。」
喉が渇いて、水をたくさん飲みました。トイレへも何度も行きました。何度も何度も振り付けを確認しました。でも、だめでした。緊張したままで、ステージが始まる時間が近づいてきます。そして、その時間が来ました。
舞台の上に立つと、頭の中が真っ白になって、何も考えることができなくなりました。緊張して足が震えました。手に持った鳴子がカタカタと音を立てました。このまま、踊る前に舞台を降りてしまいたくなりました。
リーダーのなお美さんは、パフォーマンスの前にメンバー全員の顔を見ました。そして、ニコッと笑いました。不思議ですが、足の震えが止まりました。
音楽が鳴り始めると、メイは緊張しているのも忘れて、音楽のリズムのままに体を動かしていました。何も考えないのに体が音楽と他のメンバーの動きに合わせて動いていました。どこか別の世界に行ってしまったような気がしました。
気がつくと、ステージは終わっていました。観客は拍手喝采していました。
バックステージに戻ると、他のメンバーは、興奮して大きい声で話し合っています。なお美さんがメンバー全員に言いました。
「みんな、やったね。あの拍手、聞いた?」
でも、メイは今、自分に何が起こったのか、自分が何をしたのかもわかりませんでした。静かに座っていました。
ゆう子さんが会いに来てくれました。
「メイ、素敵だったよ。がんばったね。」
ゆう子さんの顔を見ると、メイはいつもの世界に戻ってきたような気がしました。
そして、目の前に新しい世界への扉が開いたような気がしていました。