Coming soon!
いよいよ最後の試合になった。ここまでの戦績は、主将(しゅしょう)が全勝で出場を決めていて、最後の1わくを1敗の凛(りん)先輩とベレンがあらそうことになった。ここまで2敗の歩美と主将(しゅしょう)、ベレンと凛(りん)先輩があらそう。
歩美がベレンに小声で言った。
「自分が勝つのがむずかしいのは分かってる。でも、簡単に負けるつもりはないから。あなたも勝ってきなさい」
試合が始まる前、凛(りん)先輩が話しかけてきた。
「ベレン、今日はよろしく」
その声音からは何も読み取れない。面のおくの表情はほほえんでいるようにも見える。
「よろしくお願いします」
この試合ですべてが決まる。にぎった竹刀(しない)は手にぴったり合った。
蹲踞(そんきょ)のしせいでおたがいを見つめあう。小さいはずの凛(りん)先輩はその気持ちでずっと大きく見える。
「はじめ!」
「「ヤアアァ!!!」」
異国(いこく)の剣士(けんし)の掛け声が、極東(きょくとう)の空に大きくひびいた。
いよいよ最後の試合になった。ここまでの戦績は主将が全勝で出場を確定させ、最後の1枠を1敗の凛先輩、ベレンが奪い合う形だ。ここまで2敗の歩美と主将、ベレンと凛先輩が争う。
歩美がベレンに囁いた。
「分が悪い勝負なのは分かってる。でも、易々と負けるつもりはないから。貴方も勝ってきなさい」
試合直前、凛先輩が話しかけてきた。
「ベレン、今日はよろしく」
その声音からは何も読み取れない。面の奥の表情は微笑んでいるようにも見える。
「よろしくお願いします」
この試合で全てが決まる。握った竹刀はしっくりと手に馴染んだ。
蹲踞の姿勢で向かい合う。小柄なはずの凛先輩はその気迫でずっと大きく見える。
「はじめ!」
「「ヤアアァ!!!」」
異国の剣士の掛け声が、極東の空に大きく響いた。