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音楽は心を癒す
音楽の力
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Coming soon!
「第12回音楽大会を開始させていただきます!」と司会の声が会場に聞こえてきた。舞台袖から満員の会場を見まわしたベレンは緊張のあまり息を吸いにくくなってきた。混んでいる会場でだれかを探したけれど、なかなか見つからなかった。
いつの間にか、ベレンとユミの番が来た。ベレンはふるえている足で舞台に上がって、軽いお辞儀をしてから、グランドピアノに向かった。ユミもバイオリンを持って、同じように舞台に上がって、グランドピアノの側に立った。ベレンはピアノいすに座って、何回も大きく呼吸をした。だが、集中できなくて、楽譜はまた外国語のように見えた。自信がなくなったように感じた。ユミと一緒にひき始める必要があったので、練習した通り、ユミが弓でバイオリンの弦をこする時を待っていた。でも、ユミがひき始めたその時、ベレンは動けなくなって、体が石のように動かなくなった。手もひざから上げられない状態になった。ひき始めたばかりのユミは急に止まって、ベレンの方を見た。目が合うと、
「大丈夫だよ。間違えても構わない。気持ちを伝えようよ」とユミは小さな声で言って、笑った。
ベレンは夢から覚めたように、やっと動けるようになり、ユミを見ながらしっかりうなずいた。もう一回しっかり呼吸をして、手をひざから上げて、けんばんの上にのせた。ユミも準備して、もう一回弓でバイオリンをこなして、ひき始めた。今回はベレンも一緒にピアノのけんばんを触った。会場でアルゼンチンのタンゴがやっと聞こえてきた。最初のパートはゆっくりながれて、静かな海のような優しい音楽だったが、嵐のように、物語のようなはげしいパートに変わってきた。ベレンはピアノをひくことしか考えられなかったので、けんばんの押し方、指の動きが自然に見えた。ユミもいつも通り、集中して、音楽が変わるのと一緒に、様子も変わった。静かな、優しいパートだとユミが明るい表情で軽くひいていたが、物語のようなパートになると、背を伸ばして、目をとじて、はげしく速くバイオリンをひいた。バイオリンは体の一部になったようだ。ひき終わった時、急に静かになったが、すぐに観客から拍手と歓声が起こった。ベレンとユミは笑いながら、お辞儀をして、ステージから戻った。
「結果はどうあれ、今日の演奏はとても良かったね」とユミは審査員(演奏を評価する人)の判断を待っている時、言った。
「そうだね。達成感がすごい!」とベレンは興奮したように、答えた。
ベレンとユミはロビーで結果を待っている間、演奏の感想について話したりした。その時、
「ユミ」と聞いたことのある声が後ろから聞こえた。
「お母さん…?なんでここに…?」とユミはびっくりした顔でお母さんを見た。
「ベレンが呼んでくれたの」
ユミはもっと強くおどろいて、ベレンの方を見た。ベレンは申しわけなさそうにうなずいた。確かに、ベレンは数日前にユミの両親の所に行って、大会について全部話して、ユミのひいていることを聞きにくるように言った。
「演奏は…すばらしかった」とお母さんは思ったよりも優しく言った。
ユミは不思議に思って、言葉が出なかった。ユミのきびしい母親も優しくなる時もあるようだ。
「ユミは本当に医者の代わりにバイオリニストになりたいの?」
「…子供のころからずっと…ひいている時が、一番幸せ。難しいことは分かっている。でも…」とユミは目をとじた。
「大切なのはそこじゃない。私が言いたいのは…。今日初めてユミのひいているすがたを見て、娘の知らないところを見ることができたから、考えが変わったの。もっと重要で責任のある仕事を選べばいいなと思ったんだけれど、一番大切なのはユミの夢、そして決断と行動ね」
「お母さん…」とユミの目になみだが出て、その先の何も言うことができなかった。
ベレンはこの二人を見て、感動した。バイオリンに夢中になっている娘の才能をやっと信じるようになり、成長をたすけたいと思っているお母さんの言葉を聞いて、感動のあまりベレンもなみだが出た。
いつの間にか、ベレンとユミの番が来た。ベレンはふるえている足で舞台に上がって、軽いお辞儀をしてから、グランドピアノに向かった。ユミもバイオリンを持って、同じように舞台に上がって、グランドピアノの側に立った。ベレンはピアノいすに座って、何回も大きく呼吸をした。だが、集中できなくて、楽譜はまた外国語のように見えた。自信がなくなったように感じた。ユミと一緒にひき始める必要があったので、練習した通り、ユミが弓でバイオリンの弦をこする時を待っていた。でも、ユミがひき始めたその時、ベレンは動けなくなって、体が石のように動かなくなった。手もひざから上げられない状態になった。ひき始めたばかりのユミは急に止まって、ベレンの方を見た。目が合うと、
「大丈夫だよ。間違えても構わない。気持ちを伝えようよ」とユミは小さな声で言って、笑った。
ベレンは夢から覚めたように、やっと動けるようになり、ユミを見ながらしっかりうなずいた。もう一回しっかり呼吸をして、手をひざから上げて、けんばんの上にのせた。ユミも準備して、もう一回弓でバイオリンをこなして、ひき始めた。今回はベレンも一緒にピアノのけんばんを触った。会場でアルゼンチンのタンゴがやっと聞こえてきた。最初のパートはゆっくりながれて、静かな海のような優しい音楽だったが、嵐のように、物語のようなはげしいパートに変わってきた。ベレンはピアノをひくことしか考えられなかったので、けんばんの押し方、指の動きが自然に見えた。ユミもいつも通り、集中して、音楽が変わるのと一緒に、様子も変わった。静かな、優しいパートだとユミが明るい表情で軽くひいていたが、物語のようなパートになると、背を伸ばして、目をとじて、はげしく速くバイオリンをひいた。バイオリンは体の一部になったようだ。ひき終わった時、急に静かになったが、すぐに観客から拍手と歓声が起こった。ベレンとユミは笑いながら、お辞儀をして、ステージから戻った。
「結果はどうあれ、今日の演奏はとても良かったね」とユミは審査員(演奏を評価する人)の判断を待っている時、言った。
「そうだね。達成感がすごい!」とベレンは興奮したように、答えた。
ベレンとユミはロビーで結果を待っている間、演奏の感想について話したりした。その時、
「ユミ」と聞いたことのある声が後ろから聞こえた。
「お母さん…?なんでここに…?」とユミはびっくりした顔でお母さんを見た。
「ベレンが呼んでくれたの」
ユミはもっと強くおどろいて、ベレンの方を見た。ベレンは申しわけなさそうにうなずいた。確かに、ベレンは数日前にユミの両親の所に行って、大会について全部話して、ユミのひいていることを聞きにくるように言った。
「演奏は…すばらしかった」とお母さんは思ったよりも優しく言った。
ユミは不思議に思って、言葉が出なかった。ユミのきびしい母親も優しくなる時もあるようだ。
「ユミは本当に医者の代わりにバイオリニストになりたいの?」
「…子供のころからずっと…ひいている時が、一番幸せ。難しいことは分かっている。でも…」とユミは目をとじた。
「大切なのはそこじゃない。私が言いたいのは…。今日初めてユミのひいているすがたを見て、娘の知らないところを見ることができたから、考えが変わったの。もっと重要で責任のある仕事を選べばいいなと思ったんだけれど、一番大切なのはユミの夢、そして決断と行動ね」
「お母さん…」とユミの目になみだが出て、その先の何も言うことができなかった。
ベレンはこの二人を見て、感動した。バイオリンに夢中になっている娘の才能をやっと信じるようになり、成長をたすけたいと思っているお母さんの言葉を聞いて、感動のあまりベレンもなみだが出た。
「第12回音楽コンテストを開催させていただきます!」と司会の声がホールに聞こえてきた。舞台裏から満席の会場を見まわしたベレンは緊張のあまり息を吸いにくくなってきた。混んでいるホールで誰かを探したけど、なかなか見つからなかった。
いつの間にか、ベレンとユミの順番が来た。ベレンは震えている足で舞台に上がって、軽いお辞儀をしてから、グランドピアノに近づいてきた。ユミもバイオリンを持って、同じく舞台に上がって、グランドピアノの側に立った。ベレンはピアノ椅子に座って、何回も深呼吸をした。だが、集中できなくて、楽譜はまた外国語のように見えた。自信がなくなったように感じた。ユミと同時に弾き始める必要があったので、練習した通り、ユミが弓でバイオリンの弦をこする瞬間を待っていた。でも、ユミがそうした途端、ベレンは動けなくなって、体が石のように固まった。手も膝から上げられない状態になった。弾き始めたばかりのユミは急に止まって、ベレンに振り向いた。目が合うと、
「大丈夫だよ。間違えても構わない。気持ちを伝えようよ」とユミは小さな声で言って、微笑んだ。
ベレンは夢から覚めたように、やっと動けるようになり、ユミを見つめながらしっかり頷いた。もう一回深呼吸をして、手を膝から上げて、鍵盤の上に乗せた。ユミも準備して、もう一回弓でバイオリンをこなして、弾き始めた。今回はベレンも同時にピアノの鍵盤を触った。ホールでアルゼンチンのタンゴがやっと聞こえてきた。始まりの部分はゆったり流れて、凪のような穏やかなメロディーだったが、嵐のように、ドラマチックな部分に変わってきた。ベレンはピアノを弾くことに夢中になったので、鍵盤の押し方、指の動きが自然に見えた。ユミもいつも通り、集中して、メロディーの変化とともに、見た目も変わった。穏やかな部分だとユミが明るい表情で軽く弦をこなしたが、ドラマチックなパートになると、背を伸ばして、目をつぶって、情熱的に速く弓を動かした。バイオリンは体の一部になったみたいだ。曲を弾き終わった時、急に静かになったが、次の瞬間に聴衆から拍手と歓声がわき起こった。ベレンとユミは笑いながら、お辞儀をして、舞台からはけた。
「結果はどうあれ、今日の演奏は最高だったね」とユミは審査員の判断を待っている時、言った。
「そうだね。達成感がすごい!」とベレンは興奮したように、答えた。
ベレンとユミはロビーで結果を待っている間、演奏の感想について話したりした。その時、
「ユミ」と聞き覚えのある声が後ろから聞こえた。
「お母さん…?なんでここに…?」とユミはびっくりした表情でお母さんを見た。
「ベレンが誘ってくれたの」
ユミはもっと強く驚いて、ベレンに振り向いた。ベレンは申し訳なさそうに頷いた。確かに、ベレンは数日前にユミの両親の所に行って、コンテストについて全部話して、ユミの弾いていることを聞きにくるように誘った。
「演奏は…素晴らしかった」とお母さんは意外にも優しく言った。
ユミは耳を疑って、言葉が出なかった。ユミの厳しい母親も態度が柔らかくなる時もあるみたいだ。
「ユミは本気で医者の代わりにバイオリニストになりたいの?」
「…子供のころからずっと…弾いている時が、一番幸せ。難しいことは分かってる。でも…」とユミは目を伏せた。
「重要なのはそこじゃない。私が言いたいのは…。今日初めてユミの弾いている姿を見て、娘の知らない面を見ることができたから、考えが変わったの。もっと重要で責任のある仕事を選べばいいなと思ったんだけど、一番重要なのはユミの夢、そして決断と行動ね」
「お母さん…」とユミの目に涙が出て、その先の言葉を紡ぐことができなかった。
ベレンはこの二人を見て、感動した。バイオリンに夢中になっている娘の才能をやっと信じるようになり、成長をサポートしたいと思っているお母さんの言葉を聞いて、感激のあまりベレンも涙ぐんだ。
いつの間にか、ベレンとユミの順番が来た。ベレンは震えている足で舞台に上がって、軽いお辞儀をしてから、グランドピアノに近づいてきた。ユミもバイオリンを持って、同じく舞台に上がって、グランドピアノの側に立った。ベレンはピアノ椅子に座って、何回も深呼吸をした。だが、集中できなくて、楽譜はまた外国語のように見えた。自信がなくなったように感じた。ユミと同時に弾き始める必要があったので、練習した通り、ユミが弓でバイオリンの弦をこする瞬間を待っていた。でも、ユミがそうした途端、ベレンは動けなくなって、体が石のように固まった。手も膝から上げられない状態になった。弾き始めたばかりのユミは急に止まって、ベレンに振り向いた。目が合うと、
「大丈夫だよ。間違えても構わない。気持ちを伝えようよ」とユミは小さな声で言って、微笑んだ。
ベレンは夢から覚めたように、やっと動けるようになり、ユミを見つめながらしっかり頷いた。もう一回深呼吸をして、手を膝から上げて、鍵盤の上に乗せた。ユミも準備して、もう一回弓でバイオリンをこなして、弾き始めた。今回はベレンも同時にピアノの鍵盤を触った。ホールでアルゼンチンのタンゴがやっと聞こえてきた。始まりの部分はゆったり流れて、凪のような穏やかなメロディーだったが、嵐のように、ドラマチックな部分に変わってきた。ベレンはピアノを弾くことに夢中になったので、鍵盤の押し方、指の動きが自然に見えた。ユミもいつも通り、集中して、メロディーの変化とともに、見た目も変わった。穏やかな部分だとユミが明るい表情で軽く弦をこなしたが、ドラマチックなパートになると、背を伸ばして、目をつぶって、情熱的に速く弓を動かした。バイオリンは体の一部になったみたいだ。曲を弾き終わった時、急に静かになったが、次の瞬間に聴衆から拍手と歓声がわき起こった。ベレンとユミは笑いながら、お辞儀をして、舞台からはけた。
「結果はどうあれ、今日の演奏は最高だったね」とユミは審査員の判断を待っている時、言った。
「そうだね。達成感がすごい!」とベレンは興奮したように、答えた。
ベレンとユミはロビーで結果を待っている間、演奏の感想について話したりした。その時、
「ユミ」と聞き覚えのある声が後ろから聞こえた。
「お母さん…?なんでここに…?」とユミはびっくりした表情でお母さんを見た。
「ベレンが誘ってくれたの」
ユミはもっと強く驚いて、ベレンに振り向いた。ベレンは申し訳なさそうに頷いた。確かに、ベレンは数日前にユミの両親の所に行って、コンテストについて全部話して、ユミの弾いていることを聞きにくるように誘った。
「演奏は…素晴らしかった」とお母さんは意外にも優しく言った。
ユミは耳を疑って、言葉が出なかった。ユミの厳しい母親も態度が柔らかくなる時もあるみたいだ。
「ユミは本気で医者の代わりにバイオリニストになりたいの?」
「…子供のころからずっと…弾いている時が、一番幸せ。難しいことは分かってる。でも…」とユミは目を伏せた。
「重要なのはそこじゃない。私が言いたいのは…。今日初めてユミの弾いている姿を見て、娘の知らない面を見ることができたから、考えが変わったの。もっと重要で責任のある仕事を選べばいいなと思ったんだけど、一番重要なのはユミの夢、そして決断と行動ね」
「お母さん…」とユミの目に涙が出て、その先の言葉を紡ぐことができなかった。
ベレンはこの二人を見て、感動した。バイオリンに夢中になっている娘の才能をやっと信じるようになり、成長をサポートしたいと思っているお母さんの言葉を聞いて、感激のあまりベレンも涙ぐんだ。