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茶道の友情
お茶会の日
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Coming soon!
とうとうお茶会の日がやってきた。今日の集合場所は……。ここだ!いつもの場所とはちがい、きびしい雰囲気のある場所だ。木がたくさん生えていて、石の道がある。少しすすむと大きな門があった。門の前に人がいるようだ。
「ベレンさんおはよう!」
田中さんだった。今日は着物を着ている。いつもの田中さんと雰囲気がぜんぜんちがう。まるで、一つのひまわりのように明るい感じがする。
「おはよう!まだ開かないの?」
「そうなの。まだ開かないの。今長野さんにかぎを取りに行ってもらってるところ。」
「なるほど。長野さんの様子はどんな感じだった?」
「元気そうだった!前よりもひょうじょうも明るくて。」
「よかった。長野さんから話は聞いた?」
「うん。聞いた。まさか教育学部から心理学部に行こうとしてたなんて。早く教えてくれればよかったのに。よけいな心配したわ。」
「心理学部に行きたかったのか。ごかいがとけたみたいでよかった。」
「うん。」
田中さんはまだ少しきんちょうしている。上や下を見ている。そこで、ベレンは
「茶道の言葉に茶遇知己喫(ちゃはちきにあいてきっす)という言葉があるよ。」
といった。
「ちゃはちきにあいてきっす?」
「心の通じあった友とお茶を飲むよろこびの事を言うみたい。今日はとてもいいチャンスだよ。」
「茶遇知己喫(ちゃはちきにあいてきっす)か。できるといいな。」
「もうすぐできるよ。」
そろそろ、長野さんも来るだろう。あと少し、待つことにした。
お茶会が始まった。茶道部の部員は、みんなちょっとおしゃれな服を着て、来た人をむかえた。来てくれた人は、まんぞくそうな顔をして帰っていった。一人一人にお菓子とお茶をわたし、お点前(おてまえ)を見せた。最後の時間は、部員たちがおたがいにおもてなしをすることになった。長野さんと田中さんもお茶会を通して元の二人にもどったようであった。
長野さんと田中さんがお客さんを行い、ベレンが亭主(ていしゅ:お茶をたてる人)をつとめ、お点前(おてまえ)を披露(ひろう:茶道のさほうを見せること)した。ベレンはすでにこのお点前(おてまえ)がかんぜんにできるようになっていた。披露(ひろう)している間二人はだまっていた。
「お茶をどうぞ。」
とベレンが言った。二人はお茶を飲み始めた。飲み終わると、長野さんが話し始めた。
「心理学部にかえることができたけど、もう一緒にじゅぎょうはうけられないね。」
きんちょうしているのが伝わってきた。
「別に気にしないわ。よかった。もっと早く教えてくれればよかったのに。」
「だって。上手くいかなかったときに何て言えばいいかわからなかったの。」
「そんなこと、気にしなくてもいいのに。」
ベレンは心の中でうれしい気持ちになった。これで2人のなかを気にするひつようもないし、茶道部の部員もへることはないだろう。
「おっと。」
ベレンがゆだんしたので、お茶碗(おちゃわん)をおとしそうになってしまった。すると二人は、思わずおたがいの目を見て笑った。きっとベレンがしっぱいした理由に気づいているようだった。
「ベレンさん。気をつけないと、お湯がかかってやけどしちゃいますよ。」
ベレンの点前(てまえ)が終わると2人は一緒にやってきて、
「ありがとう。ベレンさん。けっこうなお点前(おてまえ)でした。」
といった。ベレンは
「いえいえ。そんなことないですよ。茶遇知己喫(ちゃはちきにあいてきっす)できましたね。」
田中さんはにっこりとして、
「ええ。上手くいったわ。」
長野さんはまゆをひそめ、
「何ていったかわからない。もう一回教えて。」
「また今度教えるよ。」
「えー。」
長野さんの楽しそうな声が茶室の中にひびきわたった。
「ベレンさんおはよう!」
田中さんだった。今日は着物を着ている。いつもの田中さんと雰囲気がぜんぜんちがう。まるで、一つのひまわりのように明るい感じがする。
「おはよう!まだ開かないの?」
「そうなの。まだ開かないの。今長野さんにかぎを取りに行ってもらってるところ。」
「なるほど。長野さんの様子はどんな感じだった?」
「元気そうだった!前よりもひょうじょうも明るくて。」
「よかった。長野さんから話は聞いた?」
「うん。聞いた。まさか教育学部から心理学部に行こうとしてたなんて。早く教えてくれればよかったのに。よけいな心配したわ。」
「心理学部に行きたかったのか。ごかいがとけたみたいでよかった。」
「うん。」
田中さんはまだ少しきんちょうしている。上や下を見ている。そこで、ベレンは
「茶道の言葉に茶遇知己喫(ちゃはちきにあいてきっす)という言葉があるよ。」
といった。
「ちゃはちきにあいてきっす?」
「心の通じあった友とお茶を飲むよろこびの事を言うみたい。今日はとてもいいチャンスだよ。」
「茶遇知己喫(ちゃはちきにあいてきっす)か。できるといいな。」
「もうすぐできるよ。」
そろそろ、長野さんも来るだろう。あと少し、待つことにした。
お茶会が始まった。茶道部の部員は、みんなちょっとおしゃれな服を着て、来た人をむかえた。来てくれた人は、まんぞくそうな顔をして帰っていった。一人一人にお菓子とお茶をわたし、お点前(おてまえ)を見せた。最後の時間は、部員たちがおたがいにおもてなしをすることになった。長野さんと田中さんもお茶会を通して元の二人にもどったようであった。
長野さんと田中さんがお客さんを行い、ベレンが亭主(ていしゅ:お茶をたてる人)をつとめ、お点前(おてまえ)を披露(ひろう:茶道のさほうを見せること)した。ベレンはすでにこのお点前(おてまえ)がかんぜんにできるようになっていた。披露(ひろう)している間二人はだまっていた。
「お茶をどうぞ。」
とベレンが言った。二人はお茶を飲み始めた。飲み終わると、長野さんが話し始めた。
「心理学部にかえることができたけど、もう一緒にじゅぎょうはうけられないね。」
きんちょうしているのが伝わってきた。
「別に気にしないわ。よかった。もっと早く教えてくれればよかったのに。」
「だって。上手くいかなかったときに何て言えばいいかわからなかったの。」
「そんなこと、気にしなくてもいいのに。」
ベレンは心の中でうれしい気持ちになった。これで2人のなかを気にするひつようもないし、茶道部の部員もへることはないだろう。
「おっと。」
ベレンがゆだんしたので、お茶碗(おちゃわん)をおとしそうになってしまった。すると二人は、思わずおたがいの目を見て笑った。きっとベレンがしっぱいした理由に気づいているようだった。
「ベレンさん。気をつけないと、お湯がかかってやけどしちゃいますよ。」
ベレンの点前(てまえ)が終わると2人は一緒にやってきて、
「ありがとう。ベレンさん。けっこうなお点前(おてまえ)でした。」
といった。ベレンは
「いえいえ。そんなことないですよ。茶遇知己喫(ちゃはちきにあいてきっす)できましたね。」
田中さんはにっこりとして、
「ええ。上手くいったわ。」
長野さんはまゆをひそめ、
「何ていったかわからない。もう一回教えて。」
「また今度教えるよ。」
「えー。」
長野さんの楽しそうな声が茶室の中にひびきわたった。
とうとうお茶会の日がやってきた。今日の集合場所は……。ここだ!いつもの場所とは違い、厳かな雰囲気のある場所だ。木が鬱蒼と茂っていて、石の道がある。少し進むと大きな門があった。門の前に人がいるようだ。
「ベレンさんおはよう!」
田中さんだった。今日は着物を着ている。いつもの田中さんと雰囲気が全然違う。まるで、一輪のひまわりみたいな華やかさがある。
「おはよう!まだ開かないの?」
「そうなの。まだ開かないの。今長野さんに鍵を取りに行ってもらってるところ。」
「なるほど。長野さんの様子はどんな感じだった?」
「元気そうだった!前よりも表情も明るくて。」
「良かった。長野さんから話は聞いた?」
「うん。聞いた。まさか教育学部から心理学部に行こうとしてたなんて。早く教えてくれればよかったのに。余計な心配したわ。」
「心理学部に行きたかったのか。誤解がとけたみたいでよかった。」
「うん。」
田中さんはまだぎこちない。上や下を見ている。そこで、ベレンは
「茶道の言葉に茶遇知己喫という言葉があるよ。」
といった。
「ちゃはちきにあいてきっす?」
「心の通じ合った友とお茶を飲む喜びの事を言うみたい。今日が絶好のチャンスだよ。」
「茶遇知己喫か。できるといいな。」
「もうすぐできるよ。」
そろそろ、長野さんも来るだろう。あと少し、待つことにした。
お茶会が始まった。茶道部の部員はみんなどこかよそよそしい服を着て、来場者をもてなした。来場者は満足した顔で帰っていった。一人一人にお菓子とお茶を渡し、お点前を披露した。最後の時間は部員同士で御もてなしをすることになった。長野さんと田中さんもお茶会を通して元の二人に戻ったようであった。
長野さんと田中さんがお客さんを行い、ベレンが亭主を務め、お点前を披露した。ベレンはすでにこのお点前が完全にできるようになっていた。披露している間二人は黙っていた。
「お茶をどうぞ。」
とベレンが言った。二人はお茶を飲み始めた。飲み終わると、長野さんが話し始めた。
「心理学部に変えることができたけど、もう一緒に授業は受けられないね。」
緊張しているのが伝わってきた。
「別に気にしないわ。よかった。もっと早く教えてくれればよかったのに。」
「だって。上手くいかなかったときに何て言えばいいかわからなかったの。」
「そんなこと、気にしなくてもいいのに。」
ベレンは心の中で小さくガッツポーズをした。これで2人の仲を気にする必要もないし、茶道部の部員も減ることは無いだろう。
「おっと。」
ベレンが油断したので、お茶碗を落としそうになってしまった。すると2人は思わず目を見合わせて笑った。きっとベレンが失敗した理由に気づいているようだった。
「ベレンさん。気を付けないと、お湯がかかってやけどしちゃいますよ。」
ベレンの点前が終わると2人は一緒にやってきて、
「ありがとう。ベレンさん。結構なお点前でした。」
といった。ベレンは
「いえいえ。そんなことないですよ。茶遇知己喫できましたね。」
田中さんはにっこりとして、
「ええ。上手くいったわ。」
長野さんは眉をひそめ、
「何ていったかわからない。もう一回教えて。」
「また今度教えるよ。」
「えー。」
長野さんの楽しそうな声が茶室の中に響き渡った。
「ベレンさんおはよう!」
田中さんだった。今日は着物を着ている。いつもの田中さんと雰囲気が全然違う。まるで、一輪のひまわりみたいな華やかさがある。
「おはよう!まだ開かないの?」
「そうなの。まだ開かないの。今長野さんに鍵を取りに行ってもらってるところ。」
「なるほど。長野さんの様子はどんな感じだった?」
「元気そうだった!前よりも表情も明るくて。」
「良かった。長野さんから話は聞いた?」
「うん。聞いた。まさか教育学部から心理学部に行こうとしてたなんて。早く教えてくれればよかったのに。余計な心配したわ。」
「心理学部に行きたかったのか。誤解がとけたみたいでよかった。」
「うん。」
田中さんはまだぎこちない。上や下を見ている。そこで、ベレンは
「茶道の言葉に茶遇知己喫という言葉があるよ。」
といった。
「ちゃはちきにあいてきっす?」
「心の通じ合った友とお茶を飲む喜びの事を言うみたい。今日が絶好のチャンスだよ。」
「茶遇知己喫か。できるといいな。」
「もうすぐできるよ。」
そろそろ、長野さんも来るだろう。あと少し、待つことにした。
お茶会が始まった。茶道部の部員はみんなどこかよそよそしい服を着て、来場者をもてなした。来場者は満足した顔で帰っていった。一人一人にお菓子とお茶を渡し、お点前を披露した。最後の時間は部員同士で御もてなしをすることになった。長野さんと田中さんもお茶会を通して元の二人に戻ったようであった。
長野さんと田中さんがお客さんを行い、ベレンが亭主を務め、お点前を披露した。ベレンはすでにこのお点前が完全にできるようになっていた。披露している間二人は黙っていた。
「お茶をどうぞ。」
とベレンが言った。二人はお茶を飲み始めた。飲み終わると、長野さんが話し始めた。
「心理学部に変えることができたけど、もう一緒に授業は受けられないね。」
緊張しているのが伝わってきた。
「別に気にしないわ。よかった。もっと早く教えてくれればよかったのに。」
「だって。上手くいかなかったときに何て言えばいいかわからなかったの。」
「そんなこと、気にしなくてもいいのに。」
ベレンは心の中で小さくガッツポーズをした。これで2人の仲を気にする必要もないし、茶道部の部員も減ることは無いだろう。
「おっと。」
ベレンが油断したので、お茶碗を落としそうになってしまった。すると2人は思わず目を見合わせて笑った。きっとベレンが失敗した理由に気づいているようだった。
「ベレンさん。気を付けないと、お湯がかかってやけどしちゃいますよ。」
ベレンの点前が終わると2人は一緒にやってきて、
「ありがとう。ベレンさん。結構なお点前でした。」
といった。ベレンは
「いえいえ。そんなことないですよ。茶遇知己喫できましたね。」
田中さんはにっこりとして、
「ええ。上手くいったわ。」
長野さんは眉をひそめ、
「何ていったかわからない。もう一回教えて。」
「また今度教えるよ。」
「えー。」
長野さんの楽しそうな声が茶室の中に響き渡った。