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茶道の友情
遭遇した朝
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Coming soon!
朝10時ごろ、ベレンは図書館へ勉強をしに行った。とちゅうで自転車がたおれてしまい、自転車を何とか持ち上げようとしている人がいた。
「あれってもしかして長野さん?長野さんだ!」
長野さんと図書館前の駐輪場で出会ったのだ。
「ベレンさん。おはよう。」
たくさんかさなった自転車を持ち上げるのは大変そうだ。長野さんの顔はきびしい感じがする。ベレンもてつだって、なんとかすべての自転車を元にもどすことができた。
「おはようございます。図書館で勉強ですか?」
「ええ。そうなの。」
「せっかくなので、一緒に勉強しませんか?」
「いいよ。」
「長野さん最近部活に来ないけど、忙しいの?」
「そうなの。大学の学部をかえたいと思っているの。今は教育学部なんだけど、教育よりもこくさいてきなことにきょうみが移っちゃってね。学部をかえるか、受験しなおすかどうかでなやんでいるのよ。」
「え?院でかえればいいんじゃないの?」
「院でかえるとしても、大変そうだし。教育から心がはなれてしまったのよ。」
「なるほど。」
「学部をかえるためには勉強して、めんせつとテストをして、先生からきょかをもらわないといけないの。」
「いつめんせつとテストがあるの?」
「来週の金曜日にあるの」
「もうすぐだ。おうえんしてます!」
「それで、田中さんや茶道部の人とかにはひみつにしてほしいんだ。」
「いいよ。でも、知ったら絶対におうえんしてくれるよ。」
「けど、もしうまくいかなかったら申し訳ないし。同じ学部の友だちにもししっぱいしたら何て言ったらいいかがわからなくて。少し気まずくなっちゃうんじゃないかって。」
「そんなもんかな。田中さんはものすごく心配してるよ。部活をやめようとしてるのかなって。」
「そっかー。やめようとはしてないけど、今はよゆうがなくて。」
「田中さんには今は忙しいみたいと伝えるね。」
「2月にはけっかが分かるんだ。学部をかえられたら、伝えたいんだ。」
長野さんは目を下におとした。
「あそこのせきにしませんか?」
「いいよ。」
図書館のとなりのせきで勉強をしている長野さんは世界史の勉強をしているようだった。ベレンも自分のかだいに集中しはじめた。
お昼のチャイムがなった。ベレンと長野さんの目があった。言い出したのは長野さんからだった。
「ねえ。ご飯食べに行かない?」
「すっかりおはらがへった。行こう!」
「どこにする?」
「うーん。一番近くのカフェにしようよ。」
「最近出た飲み物がぜっぴんらしいです!」
「それしってる!ホワイトチョコとイチゴがベストマッチなんだってね!」
「くわしいね。」
カフェは図書館を出て右にまがり、歩道橋をわたると目の前にある。カフェの前に着くと、れつができていた。10分くらい待って、ようやくせきに座ることができた。まどのそばのせきで、外の様子がよく見える。
ベレンは待ってるあいだにメニューを見てすでにきめていた。
店員さんが来るとすぐに、
「ホワイトチョコストロベリーとトマトスパゲッティーをください。」
と言った。
「かしこまりました。となりのかたは何にされますか?」
「まっちゃとサンドイッチをください。」
「わかりました」
「まっちゃが好きなの?」
「はい!大好き。茶道もまっちゃが好きで入ったかもしれないくらいだよ。」
「まっちゃをはじめて飲んだ時びっくりした。アルゼンチンではじめて食べたまっちゃ味のお菓子とぜんぜん味がちがう。」
「わかる。まっちゃ味の食べ物とじっさいのまっちゃはぜんぜん違うよね。濃茶(こいちゃ)って飲んだことある?」
「こいちゃ?何ですか。それは?」
「薄茶(うすちゃ)はわかる?」
「浮く茶(うくちゃ)?」
ベレンはぜんぜんわからなかった。長野さんは、いたずらをしそうな顔をした。
「ふふ。まっちゃのお茶のしゅるいには2つあるんだ。薄茶(うすちゃ)はベレンさんがいつもお稽古(けいこ)で飲んでるお茶の事だよ。それで、もっと上級者になったら練習するんだけど、とてもこいお茶のことで、すごくのうこうなまっちゃで、かなり苦い味なんだ。始めはおいしくないかもね。」
「はじめて知った!濃茶(こいちゃ)はどういったばめんで飲むのですか?」
「正式な茶事の最後にゆっくり飲むよ。しょうじきあまり、飲む機会はないよ。」
「一回飲んでみたい!」
「テストが終わったら、濃茶(こいちゃ)のお点前(おてまえ)の練習をしようかな。その時にお客さんに入ってよ。」
「いいの?たのしみだな。」
「あれってもしかして長野さん?長野さんだ!」
長野さんと図書館前の駐輪場で出会ったのだ。
「ベレンさん。おはよう。」
たくさんかさなった自転車を持ち上げるのは大変そうだ。長野さんの顔はきびしい感じがする。ベレンもてつだって、なんとかすべての自転車を元にもどすことができた。
「おはようございます。図書館で勉強ですか?」
「ええ。そうなの。」
「せっかくなので、一緒に勉強しませんか?」
「いいよ。」
「長野さん最近部活に来ないけど、忙しいの?」
「そうなの。大学の学部をかえたいと思っているの。今は教育学部なんだけど、教育よりもこくさいてきなことにきょうみが移っちゃってね。学部をかえるか、受験しなおすかどうかでなやんでいるのよ。」
「え?院でかえればいいんじゃないの?」
「院でかえるとしても、大変そうだし。教育から心がはなれてしまったのよ。」
「なるほど。」
「学部をかえるためには勉強して、めんせつとテストをして、先生からきょかをもらわないといけないの。」
「いつめんせつとテストがあるの?」
「来週の金曜日にあるの」
「もうすぐだ。おうえんしてます!」
「それで、田中さんや茶道部の人とかにはひみつにしてほしいんだ。」
「いいよ。でも、知ったら絶対におうえんしてくれるよ。」
「けど、もしうまくいかなかったら申し訳ないし。同じ学部の友だちにもししっぱいしたら何て言ったらいいかがわからなくて。少し気まずくなっちゃうんじゃないかって。」
「そんなもんかな。田中さんはものすごく心配してるよ。部活をやめようとしてるのかなって。」
「そっかー。やめようとはしてないけど、今はよゆうがなくて。」
「田中さんには今は忙しいみたいと伝えるね。」
「2月にはけっかが分かるんだ。学部をかえられたら、伝えたいんだ。」
長野さんは目を下におとした。
「あそこのせきにしませんか?」
「いいよ。」
図書館のとなりのせきで勉強をしている長野さんは世界史の勉強をしているようだった。ベレンも自分のかだいに集中しはじめた。
お昼のチャイムがなった。ベレンと長野さんの目があった。言い出したのは長野さんからだった。
「ねえ。ご飯食べに行かない?」
「すっかりおはらがへった。行こう!」
「どこにする?」
「うーん。一番近くのカフェにしようよ。」
「最近出た飲み物がぜっぴんらしいです!」
「それしってる!ホワイトチョコとイチゴがベストマッチなんだってね!」
「くわしいね。」
カフェは図書館を出て右にまがり、歩道橋をわたると目の前にある。カフェの前に着くと、れつができていた。10分くらい待って、ようやくせきに座ることができた。まどのそばのせきで、外の様子がよく見える。
ベレンは待ってるあいだにメニューを見てすでにきめていた。
店員さんが来るとすぐに、
「ホワイトチョコストロベリーとトマトスパゲッティーをください。」
と言った。
「かしこまりました。となりのかたは何にされますか?」
「まっちゃとサンドイッチをください。」
「わかりました」
「まっちゃが好きなの?」
「はい!大好き。茶道もまっちゃが好きで入ったかもしれないくらいだよ。」
「まっちゃをはじめて飲んだ時びっくりした。アルゼンチンではじめて食べたまっちゃ味のお菓子とぜんぜん味がちがう。」
「わかる。まっちゃ味の食べ物とじっさいのまっちゃはぜんぜん違うよね。濃茶(こいちゃ)って飲んだことある?」
「こいちゃ?何ですか。それは?」
「薄茶(うすちゃ)はわかる?」
「浮く茶(うくちゃ)?」
ベレンはぜんぜんわからなかった。長野さんは、いたずらをしそうな顔をした。
「ふふ。まっちゃのお茶のしゅるいには2つあるんだ。薄茶(うすちゃ)はベレンさんがいつもお稽古(けいこ)で飲んでるお茶の事だよ。それで、もっと上級者になったら練習するんだけど、とてもこいお茶のことで、すごくのうこうなまっちゃで、かなり苦い味なんだ。始めはおいしくないかもね。」
「はじめて知った!濃茶(こいちゃ)はどういったばめんで飲むのですか?」
「正式な茶事の最後にゆっくり飲むよ。しょうじきあまり、飲む機会はないよ。」
「一回飲んでみたい!」
「テストが終わったら、濃茶(こいちゃ)のお点前(おてまえ)の練習をしようかな。その時にお客さんに入ってよ。」
「いいの?たのしみだな。」
朝10時頃、ベレンは図書館へ勉強をしに行った。途中で自転車が倒れてしまい、自転車を何とか持ち上げようとしている人がいた。
「あれってもしかして長野さん?長野さんだ!」
長野さんと図書館前の駐輪場で出会ったのだ。
「ベレンさん。おはよう。」
何層にも重なった自転車を持ち上げるのは大変そうだ。長野さんの表情は険しい。ベレンも手伝い何とか全ての自転車を元に戻すことができた。
「おはようございます。図書館で勉強ですか?」
「ええ。そうなの。」
「せっかくなので、一緒に勉強しませんか?」
「いいよ。」
「長野さん最近部活に来ないけど、忙しいの?」
「そうなの。大学の学部を変えたいと思っているの。今は教育学部なんだけど、教育よりも国際的なことに興味が移っちゃってね。学部を変えるか、受験し直すかどうかで悩んでいるのよ。」
「え?院で変えればいいんじゃないの?」
「院で変えるとしても、大変そうだし。教育から心が離れてしまったのよ。」
「なるほど。」
「学部を変えるためには勉強して、面接とテストをして、先生から許可をもらわないといけないの。」
「いつ面接とテストがあるの?」
「来週の金曜日にあるの」
「もうすぐだ。応援してます!」
「それで、田中さんや茶道部の人とかには秘密にして欲しいんだ。」
「良いよ。でも、知ったら絶対に応援してくれるよ。」
「けど、もし上手くいかなかったら申し訳ないし。同じ学部の友達にもし失敗したら何て言ったらいいかがわからなくて。少し気まずくなっちゃうんじゃないかって。」
「そんなもんかな。田中さんはものすごく心配してるよ。部活を辞めようとしてるのかなって。」
「そっかー。辞めようとはしてないけど、今は余裕がなくて。」
「田中さんには今は忙しいみたいと伝えるね。」
「2月には結果が分かるんだ。もし移行ができたら伝えたいんだ。」
長野さんは目を下に落とした。
「あそこの席にしませんか?」
「いいよ。」
図書館の隣の席で勉強をしている長野さんは世界史の勉強をしているようだった。ベレンも自分の課題に集中し始めた。
お昼のチャイムが鳴った。ベレンと長野さんの目が合った。言い出したのは長野さんからだった。
「ねえ。ご飯食べに行かない?」
「すっかりお腹が減った。行こう!」
「どこにする?」
「うーん。一番近くのカフェにしようよ。」
「最近出た飲み物が絶品らしいです!」
「それしってる!ホワイトチョコとイチゴがベストマッチなんだってね!」
「詳しいね。」
カフェは図書館を出て右に曲がり、歩道橋を渡ると目の前にある。カフェの前に着くと行列が出来ていた。10分くらい待って、ようやく席に座ることができた。窓際の席で、外の様子がよく見える。
ベレンは待ってる間にメニューを見てすでに決めていた。
店員さんが来るとすぐに、
「ホワイトチョコストロベリーとトマトスパゲッティーをください。」
と言った。
「かしこまりました。隣の方は何にされますか?」
「抹茶とサンドイッチをください。」
「わかりました」
「抹茶が好きなの?」
「はい!大好き。茶道も抹茶が好きで入ったかもしれないくらいだよ。」
「抹茶を初めて飲んだ時びっくりした。アルゼンチンで初めて食べた抹茶味のお菓子と全然味が違う。」
「わかる。抹茶味の食べ物と実際の抹茶は全然違うよね。濃茶って飲んだことある?」
「こいちゃ?何ですか。それは?」
「薄茶はわかる?」
「浮く茶?」
ベレンは全然わからなかった。長野さんはいたずらっ子みたいな顔をした。
「ふふ。茶道のお茶の種類には2つあるんだ。薄茶はベレンさんがいつもお稽古で飲んでるお茶の事だよ。それで、濃茶はもう少し上級者になったら練習するんだけど、すごく濃いお茶のことで、抹茶でドロドロしててすごく苦いんだ。始めは美味しく無いかもね。」
「初めて知った!濃茶はどういった場面で飲むのですか?」
「正式な茶事の最後にゆっくり飲むよ。正直あんまり、飲む機会は無いよ。」
「一回飲んでみたい!」
「テストが終わったら、濃茶のお点前の練習をしようかな。その時にお客さんに入ってよ。」
「いいの?たのしみだな。」
「あれってもしかして長野さん?長野さんだ!」
長野さんと図書館前の駐輪場で出会ったのだ。
「ベレンさん。おはよう。」
何層にも重なった自転車を持ち上げるのは大変そうだ。長野さんの表情は険しい。ベレンも手伝い何とか全ての自転車を元に戻すことができた。
「おはようございます。図書館で勉強ですか?」
「ええ。そうなの。」
「せっかくなので、一緒に勉強しませんか?」
「いいよ。」
「長野さん最近部活に来ないけど、忙しいの?」
「そうなの。大学の学部を変えたいと思っているの。今は教育学部なんだけど、教育よりも国際的なことに興味が移っちゃってね。学部を変えるか、受験し直すかどうかで悩んでいるのよ。」
「え?院で変えればいいんじゃないの?」
「院で変えるとしても、大変そうだし。教育から心が離れてしまったのよ。」
「なるほど。」
「学部を変えるためには勉強して、面接とテストをして、先生から許可をもらわないといけないの。」
「いつ面接とテストがあるの?」
「来週の金曜日にあるの」
「もうすぐだ。応援してます!」
「それで、田中さんや茶道部の人とかには秘密にして欲しいんだ。」
「良いよ。でも、知ったら絶対に応援してくれるよ。」
「けど、もし上手くいかなかったら申し訳ないし。同じ学部の友達にもし失敗したら何て言ったらいいかがわからなくて。少し気まずくなっちゃうんじゃないかって。」
「そんなもんかな。田中さんはものすごく心配してるよ。部活を辞めようとしてるのかなって。」
「そっかー。辞めようとはしてないけど、今は余裕がなくて。」
「田中さんには今は忙しいみたいと伝えるね。」
「2月には結果が分かるんだ。もし移行ができたら伝えたいんだ。」
長野さんは目を下に落とした。
「あそこの席にしませんか?」
「いいよ。」
図書館の隣の席で勉強をしている長野さんは世界史の勉強をしているようだった。ベレンも自分の課題に集中し始めた。
お昼のチャイムが鳴った。ベレンと長野さんの目が合った。言い出したのは長野さんからだった。
「ねえ。ご飯食べに行かない?」
「すっかりお腹が減った。行こう!」
「どこにする?」
「うーん。一番近くのカフェにしようよ。」
「最近出た飲み物が絶品らしいです!」
「それしってる!ホワイトチョコとイチゴがベストマッチなんだってね!」
「詳しいね。」
カフェは図書館を出て右に曲がり、歩道橋を渡ると目の前にある。カフェの前に着くと行列が出来ていた。10分くらい待って、ようやく席に座ることができた。窓際の席で、外の様子がよく見える。
ベレンは待ってる間にメニューを見てすでに決めていた。
店員さんが来るとすぐに、
「ホワイトチョコストロベリーとトマトスパゲッティーをください。」
と言った。
「かしこまりました。隣の方は何にされますか?」
「抹茶とサンドイッチをください。」
「わかりました」
「抹茶が好きなの?」
「はい!大好き。茶道も抹茶が好きで入ったかもしれないくらいだよ。」
「抹茶を初めて飲んだ時びっくりした。アルゼンチンで初めて食べた抹茶味のお菓子と全然味が違う。」
「わかる。抹茶味の食べ物と実際の抹茶は全然違うよね。濃茶って飲んだことある?」
「こいちゃ?何ですか。それは?」
「薄茶はわかる?」
「浮く茶?」
ベレンは全然わからなかった。長野さんはいたずらっ子みたいな顔をした。
「ふふ。茶道のお茶の種類には2つあるんだ。薄茶はベレンさんがいつもお稽古で飲んでるお茶の事だよ。それで、濃茶はもう少し上級者になったら練習するんだけど、すごく濃いお茶のことで、抹茶でドロドロしててすごく苦いんだ。始めは美味しく無いかもね。」
「初めて知った!濃茶はどういった場面で飲むのですか?」
「正式な茶事の最後にゆっくり飲むよ。正直あんまり、飲む機会は無いよ。」
「一回飲んでみたい!」
「テストが終わったら、濃茶のお点前の練習をしようかな。その時にお客さんに入ってよ。」
「いいの?たのしみだな。」